お金が貯まる人と貯まらない人の差はどこにある?

たくさんのお金と電卓

貯金の難しさに悩む人も多い。

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なかなかお金を貯められない —— 。

こういった悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。 ファイナンシャルプランナー(以下、FP)の私のこれまでの経験上、解決の鍵はほぼあなた自身のマインドにあります。 一体どういうことか、順を追って一緒に考えてみましょう。

家計相談をしていて、なかなかお金が貯まらないという方にアドバイスさせていただくと、その後大きく2つのパターンに分かれることに気が付きました。1つは、すぐに改善傾向がみられる方。もう1つは、なかなか改善が進まない方(改善に時間のかかる方)です。

私はこの違いがどこから生まれるのか、とても不思議でした。

すぐ改善する人としない人の違いは

すぐに改善傾向がみられる方の場合、「気づく」ことが改善に向けての大きなキッカケになっているようです。

例えば、家計簿をつけ始めて、「こんなに支出が多いとは気づかなかった」とか、将来の貯蓄予想額を試算して、「いまのままではよくない」と強く意識したとか、消費パターンに気が付いて、「〇〇を買い過ぎた」と改めて認識するなどです。 何かしら、自身の「消費」の中身と、理想とする消費パターンとのギャップを感じ、その差を埋めようと意識し、上手に行動を変えられたパターンといえます。

一方でなかなか改善できない方の場合、同様の「気づき」になるような数値を算出したり、振り返り作業をしていただいたりして、「あぁ、そうか」「よくないな」「変わらないとな」とまでは思っていただけても、いかんせん次の「行動」につながりません。

本人の意思が弱いからだ、と思われるかもしれませんが。私はそれだけで片付けたくはないのです。せっかく相談に来てくださっている方に、「あなたは意思が弱いから貯められないのですね。(私にはどうすることもできないですから)がんばってください」で、話は終わってしまいます。

丁寧にヒアリングを行い、順を追って「家計」のお金の流れをみていくと、やはりこの方々にも行動に移せないパターンがあるように思えてきました。

日々の生活で、お金のかかる「行動」は実に多くはないでしょうか? 朝起きて電気をつければ電気代、顔を洗えば水道代、朝食を食べれば食費、着替えれば被服費、外出すれば交通費、遊びに行けば交際費等々……。日々の生活とお金使いは非常に密接に絡み合っています。

貯まらないのは使っているから

小銭

お金の使い方は生活スタイルそのものだ。

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「日々のお金使い」は、いわばご自身の「生活スタイル」そのものです。実際、レシートを追っていけば、過去の行動を思い返すことができるでしょう。

お金は使わなければ、必ず貯まります。 収入は、「使う(支出)」か「使わない(貯蓄)」かの2つしかありません。貯まらないとしたら、何かに使っているのです。

そもそも年収に差があると思う方もいらっしゃるかもしれません。確かに年収の高い方が貯蓄力を持ったら、そのペースは速いです。しかし、突き詰めて考えると、年収の多寡が必ずしも貯蓄額の多寡を表すことはないように、貯められるかどうかの大きな要因にはなっていないように思います。

お金を貯めるためには、それだけ使わなくなること。つまり、これまでの「日々のお金使い」に変化を起こさなければなりません。これは「生活スタイル」の変化を意味します。

なぜなかなか行動に移せないのか、それは、生活スタイルを変化させる勇気がなかなか持てないというのが、私の結論です。マインドが解決の鍵というのは、まさに勇気が持てるかどうかです(いまのアドラー人気に乗じて、こんな表現にしてみました)。

いままでと同じ方が慣れているし、楽です。お金を使わない生活スタイルを新たに考えるとなると、思考の柔軟性も必要になってきます。「考える」ということを日ごろしていないと、どうも使わない新生活を描くのが苦手のようです。

大きなことにチャレンジするという意識を

「生活スタイル」を長く引き伸ばせば、「人生」そのものです。お金使いを見直すということは、少しオーバーにいえば、人生を変えることともいえるでしょう。

ですから、もし(分かっていても)なかなかお金を貯められないという方は、大きなことにチャレンジするのだと意識することから始めてはいかがでしょうか。大変なことですから、なかなかできないのも無理はありません。個人差があるのも当然。自分は意思が弱いと責める必要もありません。

考えてみれば、「お金使い」を教わる場所もありません。そもそも「大変」とは、「大きく変わる」と書きます。変わること自体、私たち人間にとっては難しいことなのだと思います。

では、具体的にどう行動を起こせばいいでしょうか。 焦らず、時間をかけて、自分の「お金使い」と向き合うのに、私は消費に〇×をつけることをお勧めしています。ツールとしてはレシートが便利です。

家計簿をつける人

レシートを見返して消費パターンをつかむことが重要。

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〇は買ってよかったもの。必要だったもの。本当に心から欲しかったもの。 ×は、その逆。買わなければよかったもの。不要だったもの。勢いで買ってしまったもの。 あまり悩まず直感で〇×をつけ、最終的にはできるだけ〇だけになるようにしていきましょう。

最初はむしろ〇ばかりになるかもしれませんが、買った直後だけでなく、しばらく経ってから振り返るように〇×を付けるのも非常に有効です。

〇×チェックは、過去の消費にも有効です。買って長く愛用しているものと、ほとんど使わずにいるもの。どちらも買ってすぐは〇だったかもしれませんが、徐々に差が出てきているとしたら、その「差」に消費パターンがきっとあるはずです。

〇×の判断は自分の価値観です。他人が〇×をつけるものではありません。何が正解ではなく、大切なお金はご自身がハッピーになる〇の支出にぜひ振り向けてください。

お金使いで人生が変わります。今日からレシートを持ち帰ることから始めてみてはいかがでしょうか。 家計は、やればやっただけ必ず変わります。


八ツ井慶子(やつい・けいこ):ファイナンシャルプランナー。2001年より「家計の見直し相談センター」相談員としてFP活動を始める。2013年に「生活マネー相談室」を設立。「しあわせ家計」づくりのお手伝いをモットーに1000件を超える相談実績がある。主な著書に『レシート〇×チェックでズボラなあなたのお金が貯まりだす』『ムダづかい女子が幸せになる38のルール』など。

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