Netflixの契約者数の増加率。上から、国外、全体、アメリカ国内。
BI Intelligence
Netflix(ネットフリックス)は2017年第2四半期、契約者数が520万人増加した。当初の予想、320万人のほぼ2倍だ。
この力強い伸びに後押しされ、Netflixはついに待望の契約者数1億人超えを達成。契約者数は1億400万人となった。同社は、人気コンテンツの配信が、この成長をもたらしたとしている。
契約者数の増加に支えられたNetflixは、競合するその他の動画配信サービスに対し、優位に立っている。 Netflixの1億400万人の約者数の前では、YouTubeの定額サービス「YouTube Red」の会員数およそ150万人や、Amazonプライムの会員数およそ8000万人もかすんでしまう。
しかも、Netflixのオリジナルコンテンツ制作予算は60億ドル(約6700億円)と、業界最大だ。アマゾンも2017年の予算を前年の3倍に増やすつもりだと述べており、JPモルガンのアナリストはその予算額を約45億ドルと推定している。YouTubeも来年はオリジナル番組や映画に数億ドルを費やす計画だ。
Netflixの契約者の過半数は、今やアメリカ国外にいる。増加した契約者数の内訳は、アメリカ国内で110万人、アメリカ国外市場で410万人だった。全契約者数ベースで、50%超を海外セグメントが占める。Netflixが一丸となって、世界規模での事業拡大に励んできたことを考えれば、この内訳は当然の結果だろう。Netflixがアメリカ国外に初めて進出したのは、2010年。最近では、世界中の携帯電話会社やケーブルテレビ会社と提携することで、国際市場でリーチを広げている。アメリカ国内でのプレゼンスは成熟する一方だ。Netflixは今後も、引き続き国際戦略を優先していくだろう。
この同社の戦略は、Netflixが最近更新した企業文化ポリシーにも反映されている。全世界のNetflix従業員が従うこのポリシーには、新たに「多様性の受容(inclusion)」が同社のバリュー(価値)として追加された。このバリューには、異なる物事の見方を受け入れることや、多様なバックグラウンドを持つ人と協働することが含まれる。同社が世界規模で成長していくにつれ、外国人従業員の数もおそらく増加し、社内の多様性はますます高まるだろう。つまり、Netflixがポリシーを更新したことは、国際戦略の反映のみならず、優秀な人材を引き付け、引き留めておくのにも一役買うだろう。
[原文:Netflix's international subscriber gains indicate a culture update (NFLX)]
(翻訳:Yuta Machida)