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ビーガン料理のファストフード・チェーン「By Chloe」がアメリカで注目を集めている。
ニューヨークシティの1軒のビーガンカフェから、わずか2年でニューヨークシティ、ボストン、ロサンゼルスなどで7店舗を展開するミニチェーンへと発展を遂げたBy Chloeは、2017年末までにさらに4カ所で新店舗をオープンする計画だ。
その売り上げは、2016年に1000万ドル(約11億円)。今年はその3倍にあたる3000万ドルを予測している。同社がBusiness Insiderに明かした。
100%ビーガンメニューで展開しているチェーンとしては、他に例を見ない伸びだ。これまでのファストフード・チェーンを代表するヒット商品の多くに使われてきた肉、牛乳、卵、チーズが使われていないことを考慮すれば、なおさらだ。
By Chloeのメニューは、野菜を使ったバーガー、フライドポテト、パスタが中心。ビーガンメニューだが、そのアピールの仕方は、ビーガンかどうかにかかわらず、基本的に同じだ。
全てのメニューは12ドル(約1300円)以下。肉を使わない選択肢を求める人にとって、比較的安価でスピーディーなオプションとなっている。
「ブラックビーン・キヌア・スイートポテトバーガー」は、仕上げにワカモレをトッピングした、ビッグマックのような代表商品だ。フライドポテトにはハインツのケチャップではなく、ビーツ・ケチャップやチポトレ・マヨネーズを付けて食べるのがこの店のスタイルだ。
「バーベキュー」はポートベロ・マッシュルームから作られている。マカロニアンドチーズは、スイートポテト(サツマイモ)とカシューチーズソース、椎茸ベーコンから作られる。
By Chloeは、ファストフード・チェーンの定番をまねているだけではない。キヌアタコスやスパイシータイといったボリューム満点なサラダも素晴らしい。
もちろん、スイーツも忘れてはならない。By Chloeは2016年9月、ニューヨークに初のスイーツショップをオープンした。ビーガンケーキやパイ、クッキーを販売している。
どれも、インスタ映えのするメニューばかりだ。
By Chloeの成長には、対立がつきまとう。
今年3月には、共同創業者のクロエ・コスカレリ(Chloe Coscarelli)氏とサマンサ・ワッサー(Samantha Wasser)氏が決別。「著しく怠慢だ」として、コスカレリ氏が追放されたのだ。コスカレリ氏は、専門テレビ局「フードネットワーク」の番組「カップケーキ戦争」を22歳で勝ち抜き、ビーガン料理で勝利を収めた最初の参加者として当初から注目されていた。過去には、ワッサー氏とBy Chloeのスポンサー企業ESquared Hospitalityが、コスカレリ氏に対し、肉を使ったメニューの追加を強要したと明かしている。
訴訟後のBy Chloeの成長について、ワッサー氏は「by CHLOEブランドの妥協のない成長と拡大にフォーカスできることは、とてもエキサイティングだ」とBusiness Insiderの取材に答えている。
ワッサー氏によると、会社は前向きに進み始めていると言う。
By Chloeはホールフーズと提携し、ロサンゼルスにあるホールフーズの小規模店舗「365 」内に出店していて、これもチェーンの拡大に貢献している。この秋にはニューヨークシティやロードアイランド州プロビデンスにも新規店舗をオープンさせる予定だ。
ワッサー氏は言う。「ブランドの成長やビジネスの勢いが強まる様子を目の当たりし、その一端を自分が担っていることを誇りに思います。日々一緒に働いてくれる人たち、そして何度も繰り返し足を運んでくれる顧客なしでは、By Chloeというブランドをここまで成長させることはできなかったでしょう」
[原文:A chain that wants to be the McDonald's of vegan fast food is preparing to take over America]
(翻訳:まいるす・ゑびす)