STRIVRが作り出したVRの中でバスケットボールをプレイするブッカー。
NBPA
トレバー・ブッカー(Trevor Booker)は、NBAブルックリン・ネッツのパワーフォワードとして活躍している。
だが、昼間とオフシーズン、つまり彼がプロバスケット選手としてプレイしていない時、彼の仕事への関心はバスケットボールの枠を超えている。彼は不動産に投資し、さらにスポーツ学校や私立高校、レコード会社、ベンチャーキャピタルなど、18社を所有している。
「わたしを起業家と呼ぶのは、控えめな表現だ」
先日、ブッカーはナショナル・バスケットボール・プレイヤーズ・アソシエーション(以下、NBPA)が企画したツアーで、13人の選手と一緒にサンフランシスコとシリコンバレーを訪問した。ツアーの一環として彼らは、IBM、Intel、STRIVRなどのテック企業の代表者と面会した。
ブッカーのお目当ては、STRIVRだった。同社はVRヘッドセットを使用してトレーニングを行う方法の開発に取り組んでいる。特に大学の選手やプロ選手向けのトレーニングの開発に注力しており、試合中の様々なシーンをVRを使って体験できるようにすることを目指している。
「アスリートとして自分が使っている姿を明確に想像できる」と、ブッカーはSTRIVRのVRヘッドセットについて語った。
「VRヘッドセットを使えば、リアルタイムかつ自分の視点からシュートを打つことができる」
NBPAは、様々な業界に焦点をあてたセミナーを定期的に開催。シリコンバレー訪問は、オフシーズンの恒例の行事だ。NBPAは、選手たちの引退後の人生に備えて、こうした取り組みを行っている。昨年は、グーグルとFacebookを訪問した。
18社を経営しながら、NBAでプロとして活躍するブッカー。
Sam Sharpe-USA TODAY Sports
ブッカーは、様々なことを学ぶために今回のツアーに参加したと語った。彼は以前には他のセミナーにも参加し、多くの重要人物と会っている。
インテルでは、スタッフから多くを学んだ。彼は多様性が際立っていたと語った。
「多様性は、私が重視していることの一つだ。テック業界では、マイノリティーや女性が少ないと思う」
選手は、クイズ番組「ジェパディ!(Jeopardy!)」で最高金額を獲得したIBMのAI「ワトソン(Watson)」とも面会した。しかし最も有意義だったことは、ワトソンとの面会ではない。おそらく選手同士が会い、話し合えたことだ。
「話題にあがったのは、お互いが何をしているのか知らないことだった」
ブッカーは同僚の選手についてそう語った。
「我々は、より多くの選手が自分の持つリソースを活用し、ベンチャービジネスや何か他のことを始めることを願っている」
「我々はお互いのビジネスで協力し合うことができる。なにかしようと誓い合った」
(翻訳:Keitaro Imoto)