Grab(グラブ)は、2015年、マーケティングキャンペーンの一環として、スーパーカーの無料試乗を実施した。
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東南アジアで配車サービスを展開するグラブ(Grab)は、7月24日(現地時間)、ソフトバンクおよび中国の配車サービス滴滴出行(Didi Chuxing)から、20億ドル(約2200億円)の資金を調達したと発表した。
他の投資家からも5億ドルを調達する見込みで、総額は25億ドルに上る。同社は東南アジアのテック系スタートアップへの出資額としては過去最高だとしている。
グラブはウーバー(Uber)のライバル企業。現在、シンガポール、インドネシア、フィリピン、マレーシア、タイ、ベトナム、ミャンマーの65都市でサービスを提供。同社は6億人以上が暮らす東南アジアでの事業拡大と、モバイル決済システムGrabPayに資金を投じていく。
グラブは、2012年、ハーバード・ビジネススクールの卒業生、アンソニー・タン(Anthony Tan)氏とタン・フーイ・リン(Tan Hooi Ling)氏が創業。同社によると、現在、同社のアプリは5000万台以上のスマートフォンにダウンロードされ、ドライバー110万人に使用されている。
タン氏は声明の中で以下のように述べた。
滴滴出行およびソフトバンクとの戦略的パートナーシップを深めることができて光栄だ。このビジョンにあふれた2社が、東南アジアの未来、そして配車サービスと決済市場の未来に対する我々の明るい見通しを共有し、さらに当社をこの巨大マーケットから利益を上げることのできる存在と認識していることに我々は勇気づけられている。2社の支援を得て、我々は配車サービス市場の圧倒的なリードを獲得し、これを足掛かりとしてGrabPayを東南アジアを代表する決済ソリューションに成長させる。今後も大切なパートナーたちとの協力関係を続けていきたい。
ソフトバンクは、ここ数カ月で他にも多額の出資を行ってきた。ロンドンのシミュレーション関連スタートアップImprobableに5億ドル、シリコンバレーの自動運転車テクノロジー企業Nautoに1億5900万ドル(約176億円)を投じている。ソフトバンクはこれらの出資を世界最大規模のソフトバンク・ビジョン・ファンド、いわゆる「10兆円ファンド」から行っている。
ソフトバンク会長兼CEOの孫正義氏は、本件について以下のように語った。
「グラブは、交通と決済分野での課題に取り組んでいる。現在、東南アジアにおける最大のチャレンジだ。我々は、同社がこのダイナミックで将来性の高い地域における、極めてエキサイティングな会社だと信じている。当社はこの協力関係を深め、同社の発展を支援していきたい」
source:Grab
[原文:Uber competitor Grab has raised $2.5 billion from Asian tech giants]
(翻訳:原口 昇平)