本当に美味しい? ビル・ゲイツ氏が出資するハンバーガーは肉を使わない

ビヨンドミートのハンバーガーパティの写真

ビヨンド・ミートの新作「ビヨンド・バーガー」

Leanna Garfield/Tech Insider

動物の肉の代わりに野菜ベースの肉代替食品を生産する食品メーカー、ビヨンド・ミート(Beyond Meat)。同社がまるで牛肉のような味がするベジタリアン・ハンバーガーパテを開発したと発表した時は、眉唾物だった。

しかし昨年、高級オーガニック食品スーパー「ホールフーズ」のコロラド州ボルダーにある店舗で販売が開始されて以来、ビヨンド・ミートのパテ「ビヨンド・バーガー」の人気は右肩上がりだ。今では、ホールフーズの350以上の店舗と、スーパー大手「セーフウェイ(Safeway)」の280の店舗で取り扱われている。7月からは、ハンバーガーチェーン「バーガーファイ(BurgerFi)」の全101店舗のうち8店舗で、ビヨンド・バーガーを使用したハンバーガーも販売されている。

そしてこのパテが、アメリカのスーパー最大手クローガーの運営する13の州、600以上の店舗へ進出することになった。取り扱いは7月27日(現地時間)から始まり、無事展開できればビヨンド・バーガーの流通量は現在の3倍以上になる。

ビヨンド・バーガーは、1パックに4オンス(約113グラム)のパテが2枚入っている。通常価格は5ドル99セント(約660円)で、1オンスあたりの価格は牛肉のほぼ2倍だ

パッケージを開けると、パテは生の牛肉で作られたものと全く同じように見えた。しかし実際は、えんどう豆から抽出したタンパク質や酵母エキス、ココナッツオイルから作られたもので、ビートの絞り汁を加えることで、赤味を出している。

パッケージを開けた後の写真

Leanna Garfield/Tech Insider

パッケージの裏の成分表によると、ビヨンドバーガーに含まれるタンパク質、ナトリウム、カロリーは通常のパテよりも多い。

最初のパテは、油をひかずにフライパンで焼いてみた。筆者がこれまでに試してきた大半のベジタリアン・ハンバーガーパテと違い、ビヨンド・バーガーはまるで本物の肉のように、フライパンの上でジュージューと音を立てた。

しかし、その匂いは牛肉というより、何かしらの野菜のようだった。もしかしたら、えんどう豆かもしれない。

バーガー用パティを焼いているGIF

Leanna Garfield/Tech Insider

約3分後にパテを裏返すと、表面にはうっすらと焼き目が付いていた。

もう3分待てば、調理完了。フライ返しに大量の液体がついたが、牛肉のパテから出る肉汁とは少し違うようだ。

フライ返しに残った液体

Leanna Garfield/Tech Insider

焼き上がったパテをレタス、トマト、ケチャップと一緒にバンズで挟み、ひとかじりしてみた。

筆者の感想としては、ブラインド・テイスティングをしたとしても、その味を「肉」と間違えることはないだろう。しかし食感は驚くほど「肉」に近く、中心部が赤みを帯びたその見た目も「肉」さながらだった。ステーキ用シーズニングを使えば、さらに普通のハンバーガーの味に近づくはずだ。次回のために覚えておこう。

刻んだ野菜が牛ひき肉の食感を再現している。ほとんどの植物性パテは大抵ダンボールのような味がするのだが、ビヨンド・バーガーのパテはジューシーで美味しかった。

ハンバーガーの断面図

Leanna Garfield/Tech Insider

ビヨンド・ミートは、他にも何種類か植物ベースのハンバーガーパテを販売しているが、冷凍食品のコーナーに並ばないのは、ビヨンド・バーガーのみだ。ホールフーズの精肉コーナーでは、本物の牛肉の隣に陳列されている

ビヨンド・ミートの狙いは、本当においしい「肉」の代替品を生み出し、48兆ドル(約5300兆円)規模の世界の食肉産業に革命を起こすこと。同社はベジタリアンだけでなく、肉を食べる人たちからも注目を集めており、ツイッターの共同創業者ビズ・ストーン(Biz Stone)氏や動物愛護団体のヒューメイン・ソサエティー(Humane Society)、ビル・ゲイツ氏など多くの投資家が出資している

ビヨンド・バーガーが既存のハンバーガーパテにかなり似ていることを踏まえると、同商品はより環境に優しいパテ作りの象徴と言えよう。

食肉生産が地球に与えるダメージは計り知れない。伝統的な畜産業は、地球で排出される温室効果ガスの18%を排出し、地球上の水の70%を使用、毎年約1200万ヘクタールの土地を干ばつや砂漠化などで荒廃させている。

牛と男性の写真

食肉生産が地球に与えるダメージは計り知れない。

Francois Lenoir/Reuters

肉牛産業に革命を起こそうと取り組んでいるのは、ビヨンド・ミートだけではない。同様のスタートアップ「インポシッブル・フーズ(Impossible Foods)」はすでにベンチャーキャピタル(VC)などから1億8200万ドル(約200億円)の資金を調達している。

同社の商品「インポシッブル・バーガー」の評価は非常に高く、ラーメンチェーン「モモフク(Momofuku)」の創業者で、世界的に有名なシェフのデイビッド・チャン(David Chang)氏も、Facebookで称賛した。

「私は今日、未来を口にした。それはビーガンだった。このバーガーパテからは肉汁があふれ、食感はまるで本物の牛肉のようだ。牛肉よりも美味しく、地球にも断然やさしい。この商品が与えうるインパクトを把握しきれていないが、パラダイムシフトを引き起こす可能性がある」

アメリカの1人当たりの食肉消費量は世界最大級だ。しかしその一方で、肉の消費量を少しずつ減らす人が増加傾向にある。

インポシッブル・フーズとビヨンド・ミートは、このトレンドに乗っているが、その他大勢のベジタリアン向けブランドとの違いは、両社とも肉を食べる層をターゲットとしている点だ。

「美味しいハンバーガーを食べる」といった習慣を変えるのは、容易ではない。しかし、ビヨンド・ミートの商品のような限りなく「肉」に近い植物性パテが、その習慣を変える鍵となるかもしれない。

[原文:The Bill Gates-backed veggie burger that 'bleeds' like beef is coming to America's largest grocery chain — here's what it tastes like

(翻訳:Yuta Machida)

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