Melia Robinson/Business Insider
サンフランシスコ・ベイエリアの最近のコーヒー事情を見ていると、スターバックスの店舗は、どこも同じというわけではなさそうだ。蛍光灯の光、あまり心地が良いとは言えない座席、不機嫌な客で混み合う店内……こうした場所では落ち着けないという人にお勧めなのが、同社の高級ブランド「スターバックス リザーブ」だ。
スターバックス リザーブをめぐっては、2016年、同社はその店舗を拡大し、2017年にはアメリカ全土で新たに1000店舗をオープンすると発表していた。
リザーブは、日々のコーヒーを特別な体験に変えてくれる。希少なコーヒー豆を使った「スモールバッチコーヒー」を、バリスタがサイフォンなど、さまざまな手法を使って提供してくれるのだ。他にも、異なる種類の飲み比べや、水出しコーヒーのアレンジメニューも用意されている。
筆者は、シリコンバレーに近いカリフォルニア州レッドウッドシティにあるスターバックス リザーブに行ってみた。その様子をレポートしよう。
こちらは、アメリカのどこにでもありそうな一般的なスターバックスだ。
Luis Galdamez/Reuters
ブルーボトルやインテリジェンシアといった高級ブランドとの競争に勝つため、スターバックスは店舗拡大に資金を投じてきた。新しいものも生み出せることを、証明しようとしている。
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店に入ると、いくつかのことに気付く。店内は広々としていて、客は長テーブルの周りに集まっている。ウッド調の低いバーカウンターで、バリスタが働いている。
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ほのかな明かりが、暖かみのあるムーディーな色合いを演出する。
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コーヒーカップからも、既存のスターバックスとは全く異なるゴシックなイメージがうかがえる。
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カウンター席を選んだ。間近でコーヒーを入れる様子を見てみよう。
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スツールは人間工学に基づいたデザイン。からだにやさしく、しばらく座っていられそうだ。
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メニューを開いてみた。定番のフラペチーノやスムージー、コーヒー風の甘いドリンクは見当たらない。代わりに、高級かつ希少なコーヒー豆と、さまざまな抽出方法についての短い説明書きがある。
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テイスティングメニュー「オリジン・フライト」を注文した。10ドル(約1100円)だ。3種類の豆を選べる。
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テイクアウトで飲むコーヒーとは違う。バリスタは10分かけて、筆者の注文を用意してくれた。サンプルカップと、豆の産地を詳しく説明するカードを6組並べた。
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筆者は、カウンターの向こう側で働くバリスタに話しかけてみた(普段はしない)。
彼女はおよそ3カ月前、カリフォルニア州ウッドサイド近くにあるスターバックスから異動してきた。同社の従業員にとって、スターバックス リザーブは誰もが働きたいと望む場所だ。
「オープンしたときから、ここで働きたいと思っていたわ」と彼女は話してくれた。
スターバックスは、リザーブで働くバリスタのトレーニングに、かなりの時間をかけている。バリスタは、比較的珍しいコーヒー器具の使い方を学んだり、定期試飲会に参加して、3カ月ごとに入れ替わる新しいリザーブ コーヒーを勉強している。
「本物のバリスタになったみたい。ワイナリーで働いているみたいだわ。とても本格的なの」
バリスタがトレイを運んできた。テイスティングの合間に口をすすぐための、炭酸水も付けてくれた。
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個人的に気に入ったのは「East Timor Peaberry」だ。鮮やかでフルーティーな風味、フローラルの香りとモルトのような甘味が広がる。添えられたカードによると、東南アジアの島国にあるいくつかのコーヒー農園で生産された豆が使用されている。
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周りの客に話しかけてみた。イーストベイのスターバックスで働く2人のバリスタが、評判の「Sun-Dried Brazil Barinas」を飲みに来ていた。カウンターの奥にある器具について、リザーブのバリスタに楽しそうに質問していた。
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次に注文したのは、「ナイトロコールドブリュー・ウィズ・スウィートクリーム」(9ドル)だ。いくつかの希少豆をブレンドした水出しコーヒー(産地はバリスタにも知らされていない)に窒素ガスを加えて、タップから高圧で注ぐと、ふわふわしたギネスビールのような仕上がりに。
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アイスクリームも入っている。自家製のバニラアイスが浮かんでいて、飲み進めるにつれ、甘いクリームが溶けて、コーヒーをうっとりするようなデザートに変えてくれる。
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スターバックス リザーブは、大手チェーンよりも、個人が営むカフェを好むコーヒー通を取り込みたいと考えている。
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結局、スターバックスへ行くよりも高くついた。だが、飲んだコーヒー4杯分以上に、そこでしか味わえない体験と雰囲気に支払ったのだ。とてもいい気分で店を出た。
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エントランスの上には、まだ一般的なスターバックスの看板が出ている。そのため、一部の人はスターバックス リザーブも通常のスターバックス同様、単なるリモートワークの場所に過ぎないと見ているかもしれない。同社は引き続き、カスタマー・エクスペリエンスの向上に資金を投じ、多様なメニューを提供することで、新しいものを生み出さなければならない。
(翻訳:Kamada Satoko)