返り咲き狙うウーバー前CEO、トラビス・カラニック —— 「ジョブズのようになる」

トラビス・カラニック氏

ウーバーCEOを辞任したトラビス・カラニック氏の心中は……

Robert Schlesinger/DPA/PA Images

ウーバーの新CEO探しに、波乱の芽が生じている。

前CEOトラビス・カラニック氏は、トップの座から降りたものの、Recodeによると華々しい返り咲きを画策しているという。

カラニック氏は、アップルから一旦解雇されながら、後に復帰して同社を世界有数の企業に育て上げたアップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏を持ち出し、同社の数人に「ジョブズのようになる」と述べたと報じられている。

カラニック氏は今年6月、解雇されたのではなく、CEOを辞任した。主に男性同士が馴れ合うウーバーの企業文化の産物として、数カ月間にわたって不祥事が続出した後のことだった。きっかけは今年2月、ウーバーの元社員が同社で頻発するセクハラや性差別についてブログ記事を書いたことだ。ウーバー運転手を怒鳴りつけるカラニック氏の動画が公開されると、批判が噴出。さらに同社幹部が、インドでウーバー運転手にレイプされた被害者の診療記録を入手したとの報道を受けて解雇された。同社が、行政当局の規制をかいくぐるために秘密のソフトウエアを使っていたことまで発覚した。

現在ウーバーは新たなリーダーを探しており、カラニック氏は自分にとって都合が良くなるように画策しているようだ。

ウーバーはまだCEOの候補者を絞り込んでいる最中であり、新しいCEOはカラニック氏が経営陣に残る同社のかじ取りをしなければならない。Recodeによると、CEO候補者が二の足を踏む最大の要因は、カラニック氏の存在だという。

Recodeが、ウーバーからCEO就任を打診されたという3人に取材したところ、全員がウーバー最大の問題の一つとしてカラニック氏の存在を挙げた。そのうち1人は、「同氏は傑出していて重要な人物だが、誰も関わりたいと思わないだろう」と話したという。

報道によると、カラニック氏は短い休暇から戻ったばかりで、現在ウーバーの通常業務に参画しようとしている。ウーバーは企業ポリシーを強化し、同社の取締役全員が日常業務で限られた同一の情報にしかアクセスできないようにすることを迫られた。一部関係者いわく、問題の一端は、ウーバーがカラニック氏の「人生」そのものであって、切り離しがたいことにあるという。

source: Robert Schlesinger/DPA/PA Images

[原文:Travis Kalanick is telling people he will pull a Steve Jobs and return as Uber's CEO

(翻訳:まいるす・ゑびす)

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