アマゾンの就職説明会に行ってみた —— アメリカ経済の雲行きが怪しい?

アマゾン求人フェアの会場外にできた長蛇の列

大勢の人が集まった。

Sarah Jacobs

8月2日(現地時間)、アマゾンはアメリカ最大規模となる、大規模な就職説明会を全国で開催した。

配送センター業務で5万人を新規雇用するために、同社はアメリカ各地にある10カ所の配送センターに応募者を集め、採用を行った。

これは良いニュースのように思えるが、説明会の盛況ぶりからアメリカ経済の問題点が浮かび上がった。

Business Insiderのペドロ・ニコライ・ダ・コスタ(Pedro Nicolai da Costa)が指摘したように、この盛況ぶりは、人々が必死に仕事を求めていて、連邦準備理事会 (FRB)の見解にもかかわらず、経済状況が完全雇用から程遠いことを表している。

Glassdoorによると、アマゾン配送センターの時給は12ドル(約1300円)。CNNが伝えたように、配送センター業務の全国平均を下回るが、小売業の全国平均を上回る。ただしアマゾンは、配送センターの従業員に様々な福利厚生を提供している。授業料の補助、確定拠出年金などだ。

ニュージャージー州の配送センターには、仕事を求める大勢の人が集まり、何時間も順番待ちをしていた。

8月3日(現地時間)時点で、同社は5万人の新規雇用という目標を達成できていなかった。

「この日だけでも過去最高となる2万人の応募を受け付け、数千人に内定を出した。このあとの数日間で、応募者がもっと来るはずだ」と同社人事担当バイス・プレジデント、ジョン・オルセン(John Olsen)氏は述べた。

「引き続き全米で説明会を開催し、採用を進めていく。数日間続けるつもりだ。新たな従業員を迎え入れたい」

ニュージャージー州ロビンズビルの配送センターだけでも、1500人の求人があったと現地の報道機関NJ.comは伝えた。行ってみると、大勢の人が集まってきていた。

ロビンズビルの配送センターでの、Amazon Jobs Dayの様子を紹介しよう。

開始時間の朝8時を少し過ぎた頃に到着すると、すでに長蛇の列。

ロビンスビルの配送センター前。長蛇の列ができている

Sarah Jacobs


向かったのは2014年にオープンした配送センター。巨大だ。

ロビンズビルの配送センター、内部の様子

Sarah Jacobs


アメリカ全国にある配送センター10カ所で、フルタイムとパートタイムの業務に5万人を新規雇用する予定。

ロビンズビルの配送センター、内部の様子

Sarah Jacobs


同社が大規模な採用イベントを開催するのは、今回が初めてではない。同社は以前にも、オレゴン州ヒルズボロ、マサチューセッツ州フォールリバー、ワシントン州エバレットなどで多数の人を採用したことがある。

ロビンズビルの配送センター、内部の様子

Sarah Jacobs

提供:KPTVThe Herald NewsKIRO 7

だが今回の「Amazon Jobs Day 」は、過去最大規模だ。

ロビンズビルの配送センター、内部の様子

Sarah Jacobs


人事担当のオルセン氏は、大勢の人が集まったことに驚いてはいないと述べた。

ジョン・オルセン氏

Sarah Jacobs


オルセン氏は、同社の福利厚生を大きな魅力としてあげた。「素晴らしい仕事に就けるチャンスであるうえに、将来も期待できる」

ロビンズビルの配送センター、内部の様子

Sarah Jacobs


フルタイムの従業員は、初日から健康保険、確定拠出年金、キャリア支援プログラムなどを受けられる。キャリア支援プログラムでは、教材費や授業料などの95%が事前または事後に支給される。

ロビンズビルの配送センター、内部の様子

Sarah Jacobs


パートタイムの従業員も同等の福利厚生を受けられるが、健康保険の適用は90日後。

ロビンズビルの配送センター、内部の様子

Sarah Jacobs


「特に失業中や転職活動中の人にとっては、健康保険や年金などが初日から適用されることが非常に魅力的なのです」と同社広報担当者ニナ・リンジー(Nina Lindsey)氏は語った。

配送センター、内部の様子

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オルセン氏と話した後、外の列を見に行くことにした。商品をたくさんの黄色の箱に詰めている従業員のそばを通り過ぎて、出口へ。

ロビンズビルの配送センター、内部の様子。そこらじゅうに黄色のボックスが積み上がっている

Sarah Jacobs


列は最後尾が見えない長さになっていた。ほとんど120万平方フィート(約11万平方メートル)の配送センターの端まで伸びていた。

ロビンズビルの配送センター、外部に長蛇の列ができている様子

Sarah Jacobs


ヤミー・ロドリゲス(Yami Rodriguez)さん。ノースカロライナ州から生まれ故郷のニュージャージー州に帰る予定。ロビンズビル配送センターでの補助業務に応募した。「可能性に賭けてみる」と彼女は我々に語った。「素晴らしい会社だと聞いた。それにどんどん大きくなっている」

ヤミー・ロドリゲス氏

Sarah Jacobs


ロドリゲスさんは、授業料の補助や確定拠出年金など同社の福利厚生を大きな魅力としてあげた。「将来に投資しなければ」と彼女は語った。「授業料を補助してくれるなら、会社で昇進することもできる」

ロビンズビル倉庫、内部の様子。ベルトコンベアの先で従業員が仕分けを行っている

Sarah Jacobs


ケイティ・ストリート(Katie Street)さんは、もう1時間も並んでいた。就職説明会のことを教えてくれたのは母親だった。ストリートさんも、同社の将来性に期待していた。「アマゾンが大好き。アカウントも持っている。アマゾンはあらゆるところに拡大していると思う」

ケイティ・ストリート氏

Sarah Jacobs


当日は蒸し暑かった。アマゾンはかき氷や飲み物を配布した。

かき氷の移動販売車

Sarah Jacobs


列の先頭が大きな白いテントに入っていく。そこで登録と応募手続きを行う。

ロビンズビル配送センター、外部の様子。行列の先頭が大きな白いテントの中に吸い込まれていく

Sarah Jacobs



応募者は希望の勤務地や、フルタイムかパートタイムかなどを記入する。

長蛇の列

Sarah Jacobs


次に、応募者は建物内の会場へ。

ロビンズビル配送センター、会場がある建物の前

Sarah Jacobs


オンライン面接の質問に回答し、

建物内。カウンターのラップトップPCを操作する人々

Sarah Jacobs


業務について説明を受ける。

説明会場の様子

Sarah Jacobs


その後、配送センターを見学して、職場環境を確認する。

ロビンズビルの倉庫、内部の様子

Sarah Jacobs


当日、その場で内定を知らされる応募者もいるとのこと。

配送品が入った黄色のボックスを、台車に載せて運ぶ男性

Sarah Jacobs


「アマゾンは成長しています」とリンジー氏。「だからここには、会社とともに成長し、夢中になれるものを見つけるチャンスがたくさんあるのです」

ロビンズビルの倉庫、内部の様子

Sarah Jacobs


「我々が求めているのは、アマゾンにとって最も大切なこと、つまり顧客のことを第一に考えることができる人、そして、チームワークを大切にできる人です」とリンジー氏は付け加えた。

応募受付カウンターの様子

Sarah Jacobs


[原文:We visited Amazon's massive jobs fair at a warehouse in New Jersey, where people lined up around the block hoping to score a job

(翻訳:まいるす・ゑびす)

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