写真:今村拓馬
日々拡大を続けているソフトバンクグループは、すぐには何をしている会社なのか分からないほど、事業領域が広がっている。子会社761社、関連会社130社(2017年3月末現在)の巨大グループとなったソフトバンクの姿を見てみよう。さながら“ソフトバンク・エンパイア”(帝国)の様相だ。
ソフトバンクグループの子会社・関連会社。
グラフィックデザイン:井村亮
ソフトバンクグループの事業は大きく、次の6つの領域に分かれている。
- 通信
- ヤフー
- ファンド
- 海外
- 流通
- その他
携帯電話キャリアとしてのソフトバンクや、巨大ポータルサイトのヤフーは、馴染みの深い事業となっているが、この数年、海外展開を急速に進め、巨額の資金規模を有するファンドも組成している。以下、事業領域ごとの主力企業と、事業内容を簡単に整理した。
■通信事業
・ソフトバンク
携帯電話など無線通信サービスを提供。
・Wireless City Planning
携帯電話ネットワークの整備など。
・ソフトバンク・ペイメント・サービス
グループの中で、決済業務を担う。ソフトバンクカードの発行・運営など。
■ヤフー事業
・Yahoo! JAPAN
一ヶ月間の総ページビューが600億を超える日本最大のポータルサイト。
・バリューコマース
アフィリエイト(成果報酬型広告)を中心としたインターネット広告。
・アスクル
文房具・オフィス用品の通販。
・ジャパンネット銀行
同行ウェブサイトによれば、「日本初のインターネット専業銀行」。
・ブックオフ
古本・中古家電の販売。
■ファンド
・ソフトバンク・ビジョン・ファンド
2016年10月に設立を発表した。英国で運営している。サウジアラビアのファンド、アップル、クアルコム、アラブ首長国連邦の公社などから出資を受け、今年5月22日には、総額約10兆4千億円の出資コミットメントを得たと発表。テクノロジー分野に幅広く出資を検討する、としている。同ファンド以外にもソフトバンクグループ傘下には、複数のファンドが組成されている。
■海外
・Sprint
2013年7月に買収した米国の携帯電話キャリア。
・ARM
英国の半導体設計会社。半導体メーカーが半導体を製造する際に必要な知的所有権を保有している。とくに携帯電話向けで高いシェアを誇る。2016年9月5日、約3.3兆円で買収を完了したと発表。
・Brightstar
米国の携帯電話端末の卸売会社。世界規模で携帯電話の卸売事業を展開しているとされる。
・Alibaba
中国のネット通販サイト・アリババを運営する。ソフトバンクグループが主要株主に名を連ねている。
・Renren
フェイスブックに似た中国のSNS・人人網を運営
■流通
・ソフトバンク コマース&サービス
IT関連製品の製造・流通・販売など。
■その他
・ソフトバンクホークス
プロ野球の球団。
・ソフトバンクロボティクス
Pepperなどヒューマノイド・ロボットの開発・販売。
・SBエナジー
自然エネルギーによる発電、電気の供給と販売。
・アイティメディア
IT関連のポータルサイト・ITmediaを運営。
・ソフトバンク・テクノロジー
ICT(情報通信事業)サービスを提供。
・ベクター
パソコン用アプリケーションのダウンロードサイト・Vectorを運営。
・ガンホー・オンライン・エンターテイメント
『ラグロナクオンライン』などオンラインゲーム、携帯向けゲームなどを開発。
・サイジニア
ビッグデータ解析など。
※本稿は、ソフトバンクグループの年次報告書、各四半期の開示資料などを基に作成した。