ミレニアル世代は、ロゼが好き
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ミレニアル世代は、ビールよりもロゼワインを飲むようになってきている。
ロゼワインの市場規模は今年1月、3億8900万ドル(約430億円)に達した。ブルームバーグが、ニールセンのデータに基づいて報じた。ロゼワインの消費量は過去52週においてドル換算で57%増、ビールは0.6%減少した。
アメリカにおけるロゼワインの売上高は、370億ドル(約4兆1000億円)規模のビール業界に比べると明らかに小さい。しかしワインが最近急に流行しているせいで、ビールのポジションはさらに脅かされている。
7月下旬、ゴールドマン・サックスは、ミレニアル世代がビールよりもワインやスピリッツを好み、そもそも上の世代に比べてアルコールをあまり飲まないことから、地ビールのパイオニアであるボストン・ビア・カンパニーと、アルコール飲料大手コンステレーション・ブランズの投資判断を引き下げた。
ニールセンによると、アメリカ市場におけるビールのシェアは、2016年から2017年にかけて1%マイナス。一方、ワインおよびスピリッツのシェアは変わらなかった。
1%マイナスをビール業界の死と呼ぶのは過剰反応だとする声もあるが、小さな変化がビール業界大手に大きな影響をおよぼしている。ビールは既に、2006年から2016年にかけて、市場シェアの10%をワインおよびスピリッツに奪われている。また、少なくとも一部のビール業界関係者は、ワインおよびスピリッツの流行をより深刻に受け止めている。
「大艦隊が大西洋を渡ってアメリカのビール業界に攻め込んできているのに、我々は古くさい銃やパチンコで内輪もめをしている」
今年5月、ビール世界最大手ABインベブ(AB InBev)に買収されたクラフトビールメーカー、ウィキッドウィード(Wicked Weed)の共同創業者ウォルト・ディキンソン(Walt Dickinson)氏は、独立系ビールメーカーと業界大手の対立について最近、そう語った。
同氏によると、アメリカのビール業界を壊滅させる「大艦隊」とは、ワインとスピリッツのことだ。この問題に関するABインベブの動画に出演した他の多くのクラフトビールメーカーも、同じ見解だ。
ビール業界の敵といえば、つい2年前まではスピリッツ、赤ワイン、白ワインだった。今ではそこにロゼワインが加わっている。
[原文:Millennials are killing the beer industry with their rosé obsession]
(原文:まいるす・ゑびす)