信じられないほど美しい夜の地球 —— でも、本物とはちょっと違う？

信じられないかもしれないが、この夜景は本物ではない。

確かにこれは北ヨーロッパだ。だが写真ではない。

これも、本物のイギリスではない。

サンクトペテルブルク在住のグラフィックアーティスト、アントン・バラージュ氏によるCGだ。

バラージュ氏は3Dプログラムが得意で、地球のモデル作りは楽しそうだと考えた。以前Business Insiderにそう語った。

だからやってみた。だが、一晩で完成するようなプロジェクトではなかった。

｢モデルを少しずつ複雑にしていくのに、数年かかった｣と同氏。

本物に近づけるために、NASAのウェブサイト｢Visible Earth｣から本物の衛星写真を大量にダウンロードした。

Source：NASA Visible Earth

そして水深を測量したデータを使って、リアルな海底を再現。

海水面のデータも用いて、海岸線も正確に。

NASA提供の地形データを使って、宇宙からは本来平坦に見える山脈の高さを強調。

さらに、地球を回る人工衛星｢Suomi NPP｣が収集した街の明かりのデータを重ねた。

さまざまなイメージを重ね合わせるのに、まる1カ月かかった。

｢さまざまな微調整をたくさん行って｣画像を仕上げた。街の輝きを強め、山を高くしたり、月明かりをちょうどいい具合に調整した。

リアルな3Dの地形を作るために、画像1枚につき｢2000～3000万のポリゴン｣を使った。

オリジナルの画像は5000×5000ピクセル。フル解像度で表示するには、スマートフォン数十台が必要だろう。

｢1つの画像を描画するのに、32ギガバイトのメモリを搭載したマルチコアのPCでも数十時間かかる｣とバラージュ氏。

バラージュ氏は制作した画像をフォトサービスで販売している。｢毎日よく売れている｣

制作した画像がよく売れたおかげで......

バラージュ氏はバカンスに出かけ、本物の地球を満喫している。