マルイが仮想通貨導入で狙う「ビットコイン女子」開拓

スマートフォンでQRコードを読み取る

10月末までは、マルイアネックスの店頭に「ビットコインつかえます!」の掲示が出るようになる。デパートとビットコインというのは試験導入とはいえ目を引く組み合わせだ。

マルイは、8月7日(月)から「新宿マルイアネックス」にて、ビットコイン決済の試験導入を開始した。大手量販店では、すでにビックカメラがビットコイン決済を導入しているが、マルイは10月31日(火)までの試験導入だ。

マルイアネックスのビットコイン決済は、ビットコイン全般での決済に対応するのではなく、国内のビットコイン取引所大手・ビットフライヤー(bitFlyer)社のウォレット口座を持つ人向けに提供するもの。ビットフライヤー以外のビットコイン口座からの決済には対応しない。

ビットコイン決済には、場合により送金から着金(決済完了)まで数分かかるケースがあるが、ビットフライヤーのウォレットに限定することで、カード決済のように一瞬で決済ができる。ビットフライヤー以外の取引所でビットコインを保有している人は、ビットフライヤーの口座を新規開設して、その口座に既存のビットコイン資産の一部を移動すれば利用できる。

若い女性にどのぐらい利用してもらえるのか?

ビットフライヤー加納社長とマルイアネックスの土屋店長。

ビットフライヤーの加納裕三社長(左)、マルイアネックスの土屋充店長。がっちりとした握手で取り組みへの期待を示した。

マルイアネックスは男女の衣料品店の他、飲食店も入っている。土屋充店長は、試験導入に至った背景として、「ビットコインは飲食店や家電量販店で導入が進んでいる。お客様の利便性の向上を実現するために今回の試験導入にいたった」と語る。

マルイ全店舗へのビットコイン導入の可能性については、「可能性としては、ないとは言い切れないというレベル」(土屋店長)と言い、あくまで試験導入であるという立場だ。

デパートとビットコインの組み合わせは、潜在顧客層に合わないようにも感じられる。しかし、意外にも訪日客のインバウンド需要を狙ったのではないようだ。

「(マルイアネックスは)8割が女性客。ビットフライヤー様の方も女性の比率が上がっているという内容(説明)だった。(今回の試験導入で)特に若い女性の方にどれだけご利用いただけるのか、というところを確認していきたい」(同)

と説明する。

今回の導入にあたっては、マルイ側で各テナントの店長、スタッフへのトレーニングを「相当綿密に実施した」(マルイアネックス関係者)。土屋店長によると、店舗側の混乱は特になく、決済オペレーションが煩雑になるなどの指摘も特に伝わってはいないという。

マルイビットコイン

ビットフライヤーウォレット決済対応にともなって、ビットコイン対応を告知する写真左上のような看板も用意。マルイアネックス店内の複数の場所で見られる。決済は1回あたり10万円まで。ビットフライヤーウォレット以外の決済ウォレットには対応しない旨も謳われている。

ビットコイン分裂騒動「危機はすでに過ぎ去った」

8月1日にビットコインが「Bitcoin」と「Bitcoin Cash」に分裂し、いわゆる「分裂騒動」がネット上を賑わせた。これについてビットフライヤー加納裕三社長は「危機はすでに過ぎ去っている。顧客資産を脅かすものではなく、安心してご利用いただける。当然、決済にもまったく影響はない」とビットコインの信頼性と安定性を改めて強調した。

決済は飲食店以外のマルイアネックスの各店舗が対応する。決済端末は、アネックス全体で数台用意されるタブレット端末を、ビットコイン決済(ビットフライヤーウォレット決済)希望客が来店した際に持ち込んで使用する。決済アカウントは、マルイアネックス全体で1つになっており、店舗個別にアカウントを分けたりはしていないという。

タブレットの決済端末

タブレットが店舗側の決済端末、スマートフォンが購入客を想定。タブレット側で購入金額を入力すると、決済用のQRコードが表示。

スマートフォンでQRコードを読み取る

購入者側のスマートフォンのカメラでQRコードを読み取ると、即座に決済が完了。

決済確認画面

両方の端末で同じ金額が決済されていることを確認して、商品を受け取る。

ビットフライヤーの口座開設者の現状

bitflyer

ビットフライヤーの公式サイトでもマルイアネックスのキャンペーン告知が行われている。

ビットフライヤーの設立は2014年1月9日で、今年で3周年。加納社長によると、口座開設数は6月現在で60万(確認)口座を突破したほか、2016年の夏まで数パーセントだった女性比率が、ビットコインの知名度向上にともない、最新の調査では20%弱にまで上昇しているという。口座を持つ人の多くが日本在住者だが、国内外からの外国籍のユーザーの口座開設もあると語る。

ビットフライヤーとしてはビットコイン取引所として活動する一方、ビックカメラでの先行事例などの取引所としての信頼性の高さを武器に、今回のマルイのような大手を中心に開拓を進めている。

国内で徐々に進むビットコイン決済対応のリアル店舗。読者のみなさんはビットコインに対してどういうスタンスだろうか? 以下のアンケートで、ほかの回答者がビットコインについてどう考えているかがリアルタイムに見られるようにした。興味のある人は回答してもらえれば幸いだ。

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