ペプシコCEOが語る「社長に指名された日に母に教えられたこと」

インドラ・ヌーイ氏

インドラ・ヌーイ氏(写真)は、あの夜のことを忘れたことがないという。

World Economic Forum / Flickr

インドラ・ヌーイ(Indra Nooyi)氏が米ペプシコ(Pepsico)の社長に任命されたのは、2001年のことだった。5年後CEOに、さらに2007年には会長の座に就くことになる。

だが社長に任命された日の夜のこと。帰宅すると、たまたま親がやってきた。

同氏はその夜のことを、次のようにLinkedInで回想した

2001年、ペプシコの社長に任命され、帰宅したときのことを私は決して忘れない。自宅にちょうど母が来ていた。

「すごくいい知らせがある」と私が大きな声で言うと、母は「後で聞くから、ちょっと牛乳を買ってきて」と答えた。

それで私は牛乳を買いに出かけた。戻ったとき、私はかんかんに怒って言った。「いい知らせがあるって言ったでしょ。ペプシコの社長に任命されたの。なのに、牛乳を買ってこいだなんて」

すると母は言った。「待って。あなたはペプシコの社長になるかもしれない。だけど、この家に一歩入ったら、妻であり母であることがあなたにとっての最優先事項。その役割に代わりはいない。だからその王冠はガレージに置いてきなさい」

ヌーイ氏は、時価総額1660億ドル(約18兆円)の大企業を10年間経営して学んだ教訓の一つとして、このエピソードをシェアした。

「自分が何者であろうと、何をしていようと、家庭の中では誰も自分の代わりになれない」とヌーイ氏は記した。「けれども認めよう。母、妻、従業員など、なりたい人全てに同時になるのもほぼ不可能だ。しばしば取捨選択に迫られる。CEOになりたいなら、なおさら。選択は不可避だ」

LinkedInでヌーイ氏はこう続けた

それでも分かっている。夫と私は辛い選択を迫られてきたが、それでも私たち家族はとても恵まれていた。アメリカでは、近所に親戚がいて子どもの世話を手伝ってもらえる人や、お金を払って追加のサポートを頼めるほどの給料をもらえる仕事に就いている人は、多くない。

これは至急取り組むべき課題だ。企業として、社会として一致団結し、幼い子どもや年老いた親を世話する労働者を支えていく必要がある。

ヌーイ氏によると、ペプシコは今秋、本社従業員向けの社内託児サービスと、テキサス支社従業員向けの職場付近での託児サービスを始める。

「それは我々のより広範な取り組みの一環にすぎない。子どもや高齢者の世話をしている従業員を可能な限りサポートし、従業員がキャリアだけでなく生活をも築いていけるようにしていく」

[原文:When Pepsi CEO Indra Nooyi got her pivotal promotion, her mother cut off the announcement and sent her out to get milk instead

(翻訳:まいるす・ゑびす)

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