早期死亡リスクは2倍? 「孤独」をあなどってはいけない

孤独

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多くの人々が、ひとり暮らしや、晩婚もしくは離婚を選択し、スマートフォンに引きこもるにつれて、アメリカでは「孤独な人」の割合が急増している。新たな研究結果で明らかになった。

ブリガム・ヤング大学の心理学教授ジュリアン・ホルトランスタッド(Julianne Holt-Lunstad)氏は、アメリカ心理学会の年次大会で、2つの膨大なメタ分析( 統計的手法を用いて、複数の論文のデータを定量的に結合、分析する)の結果を発表した。

同氏の研究は、「孤独」が「肥満」よりも公衆衛生上、深刻な脅威である可能性を示した。喫煙のリスクにも匹敵するとの研究結果もある。

「世界中の多くの国々で、私たちが『孤独伝染病』に直面していることがわかってきた。我々の課題は、それにどう対処できるかだ」と、ホルトランスタッド氏は述べた

同氏の2つのメタ分析のうち1つは、148の研究、30万人以上の被験者データを対象とした。この分析により、社会的な交流のある人は、早期死亡リスクが50%低下することが分かった。

もう1つの分析では、70の研究、340万人のデータを対象とし、社会的孤立、孤独、ひとり暮らしと死亡率の関係を調べた。3つの要素全てが、肥満と同等もしくはそれ以上に、死亡リスクを高める傾向にあった。

研究者らは、「孤独」が極めて致命的だと考えている。睡眠パターンの乱れストレスホルモンの増加、炎症の悪化免疫システムの異常など、多くの問題を引き起こす可能性があるからだ。これらはいずれも、病気にかかったり、命に関わる怪我をするリスクを高める。

エビデンスから見て、ホルトランスタッド氏は、孤独に関わる問題がすぐに解消されるとは考えていない。全米退職者協会(AARP)の孤独に関する最新の研究によると、45歳以上の成人のうち、4260万人が慢性的な孤独感に苛まれている。ベビーブーマー世代が年を取るにつれ、この数字はさらに増加すると見られる。

孤独のリスクから逃れるには、自ら進んで社交的になろうとすることが重要だと、ホルトランスタッド氏は言う。Facebookをスクロールする代わりに、年を取っても社交クラブに参加したり、近所の人々と集まることは有効だ。医師も、高齢の患者に対し、孤独がもたらすリスクに警鐘を鳴らし、その対応策を提案することができる。

「孤独伝染病」に直面している国々の中には、人々の孤独を緩和する幅広い取り組みを行っているケースもある。イギリスには「シルバーライン」と呼ばれるホットラインがあり、孤独を感じる高齢者が電話をかけると、どんな話題でも、好きなだけ誰かと話すことができる。センターには、毎週約1万件もの電話があるという。

[原文:Loneliness may be a greater public health hazard than obesity — and experts say it's getting worse

(翻訳:本田直子)

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