Facebook/Halo Top
ハロ・トップ(Halo Topは)アメリカの食料品スーパーで今、最も売れているアイスクリームだ。だが、「ヘルシーなアイスクリーム」として売り出しているこのアイスクリーム・ブランドのマーケティング戦略を問題視する声も出始めている。
ハロ・トップのファンは、「アイスクリームを1パイント(約473ml)食べても、健康でいられる」という同社の"公約"を信じている。例えば、バニラアイスなら、1パイントわずか240カロリーだ。
「そんないい話はあり得ないと思うなら、私たちの言葉を信じないでください。ヘルシーなアイスクリームがどれほどおいしいか、実際にスプーンですくって食べてみて! 」と同社のウェブサイトは謳う。
ところが、一部の栄養士たちは、ハロ・トップが自社のアイスクリームを「ヘルシー」としていることに異議を唱える。
「アイスクリームがヘルシーだとするマーケティングは、矛盾している」
ニューヨーク大学で栄養学、食品研究、公衆衛生学の教授を務めるマリオン・ネスル(Marion Nestle)氏はフォーチュンに語った。「まさに『他の選択肢に比べて幾分ましだからと言って、それが良い選択肢とは言えない』という類の話だ」
Facebook/Halo Top
ネスル教授は、8月3日(現地時間)に出たフォーチュンの記事の中で、ハロ・トップが主張するアイスクリームの健康面での利益は、耳を傾けるに値しないと切り捨てた栄養士の1人だ。
栄養学を専門とするノースカロライナ大学のバリー・ポプキン(Barry Popkin)教授は、ハロ・トップが砂糖の量を減らすために、糖アルコール添加物「エリスリトール」を使用していることに疑問を呈した。ポプキン教授は、エリスリトールの過剰摂取は、下痢や膨満感などの原因になると指摘する。これに対しハロ・トップは、少なくとも3パイント食べなければ、こうした症状が出ることはないとフォーチュンに語っている。
その上でハロ・トップは、こうした栄養士たちの懸念を、消費者たちは自分たちが購入しているのが、通常のアイスクリームの低カロリー版だとわかっているとして、一蹴した。
Business Insiderは同社に対しコメントを求めたが、回答は得られていない。
ちなみに、ハロ・トップに対する非難の声は、オンライン上にも存在する。一部の人々は、同社のアイスクリームは単純においしくないと主張している。
ハロ・トップのアイスクリームは、はっきり言ってマズい。これがおいしいと思えるなんて、どうかしてる。
ハロ・トップのアイスクリームで大騒ぎする人たちをかわいそうに思うわ。きっと本当のアイスクリームを食べたことがないのね。
ハロをアイスクリームと呼ばないで! 食べるのを止めて!
ハロ・トップのFacebookレビューを見ると、全体としてポジティブな評価が目立つ。ただ、中には星1つと評価したレビューもある。
「いろんなブランドのアイスクリームを食べてきたけど、確実に最低」と、ある人は書き込んだ。「うちの犬にあげたら、2口なめただけで去っていったわ。冗談じゃない。絶対にもう二度と買わない」
ハロ・トップのアイスクリームは昨年の夏、瞬く間に大ヒットした。2016年の売り上げは2500%増、2880万パイントが売れた。フォーチュンがインタビューした栄養士たちの懸念が、このナンバー1ブランドの売り上げに影響を及ぼすか否かは、いずれ明らかになるだろう。
(翻訳:まいるす・ゑびす)