中距離弾道ミサイル「火星12」の発射実験に参加する金正恩氏。
Thomson Reuters
「核弾頭搭載可能なミサイルをグアムに向けて発射する計画がある」と先日発表した北朝鮮は、世界で最も平和でない国の1つだ。
これは、経済平和研究所(IEP)が発表した2017年の「世界平和度指数」の結果だ。162の国を平和の度合いでランク付けし、毎年発表している。
ランキングを作成するにあたっては、治安状況、内戦・国際紛争の発生状況、軍事化の程度の3つのカテゴリーについて、暴力の発生状況や武器の輸入といった23の指標が用いられる。162の国の人口を足し合わせると、全世界の人口の99.7%に等しい。
各国の平和度は前年に比べ、93カ国で上がり、68カ国で下がった。全体的に見れば、2016年よりも平和になったと言えるのかもしれない。
そのワーストランキング、つまり「世界で最も平和でない国」をランキングで紹介しよう。
14位 北朝鮮
Damir Sagolj/Reuters
13位 ロシア
軍事演習の視察に向かうプーチン大統領
RIA Novosti/Reuters
12位 パキスタン
アフガニスタンとの国境にも近いクエッタ、中国人教師が武装勢力に誘拐された現場近くで警備にあたる兵士。
Thomson Reuters
11位 コンゴ民主共和国
首都キンシャサで発生した暴動の現場近くを歩く家族(2016年9月19日撮影)。
John Bompengo/AP
10位 ウクライナ
ロシア海軍との合同軍事演習に参加するウクライナ海軍幹部(2013年6月22日、クリミアのセヴァストポリ港にて撮影)。
Stringer/Reuters
9位 中央アフリカ共和国
首都バンギで警備にあたるアフリカ連合(AU)の兵士(2014年3月23日撮影)。
Siegfried Modola/REUTERS
8位 スーダン
北部メロウェで行われた空軍の演習を視察するオマル・アフマド・アル・バシール大統領。
Thomson Reuters
7位 リビア
リビアの沿岸警備隊によって救助された出稼ぎ労働者たち(トリポリの東、ガラボリにて)。
Thomson Reuters
6位 ソマリア
ケニアとソマリアの国境近くにある、ダダーブ難民キャンプを訪れたノーベル平和賞受賞者マララ・ユスフザイ氏。
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5位 イエメン
首都サナアで行われた軍事パレードに参加した、反政府武装組織「フーシ」の特殊治安部隊。
Thomson Reuters
4位 南スーダン
ロケットランチャーを携えた反政府勢力の兵士。
Goran Tomasevic/REUTERS
3位 イラク
北部モスルの旧市街にある、破壊された「光のモスク」近くで座り込む女性。
Thomson Reuters
2位 アフガニスタン
Parwiz Parwiz/Reuters
1位 シリア
ギリシャのアテネで、難民家族の再会が遅れていることに抗議するシリア難民の子どもたち。
Thomson Reuters
2016年に続き、最も平和でない国となったシリアは、難民危機の真っただ中にある。2011年の内戦勃発以来、これまでに約1350万人が戦争難民となって国を逃れた。国内避難民も600万人を超える。2013年以降、シリアは世界平和度指数のワースト5圏内にある。
地域別にみると、中東と北アフリカが最も平和でない。この1年間の暴力による経済損失は、世界全体ではGDP比で12.6%、最も高いシリアでは67%となった。
[原文:RANKED: The least peaceful countries in the world]
(翻訳:仲田文子)