スターバックス、過去の強みが大きな弱みに? —— 投資判断引き下げ

スターバックスのドリンク

Katie Schaumann/Getty Images

  • アナリストがスターバックスの投資判断を引き下げ。アメリカ国内でカニバリゼーション(店舗間での売り上げの奪い合い)が生じているという。
  • アナリストによると、1店舗の1マイル(約1.6キロ)以内に、平均3店の別の店舗が存在する。
  • ここ数カ月、スターバックスは来店客数を増やすことに苦戦している。

「どこの角にもスターバックスがある」という決まり文句が、同社にとって深刻な問題になりつつあるようだ。

8月9日(現地時間)、BMO Capital Marketsは、スターバックスの投資判断を「マーケットパフォーム(市場平均と同じくらい)」に引き下げた。店舗数が多すぎるため、既存店売上高は伸び悩むのではないかとの懸念のためだ。

「既存店同士のカニバリゼーションがここ数年、加速しているようだ。競合他社が勢いづく中、新規出店のペースを遅らせる必要が出てくるだろう」と、アナリストのアンドリュー・ストレルチク(Andrew Strelzik)氏は指摘した。

同氏によると、アメリカ国内の店舗のうち、62.5%の店舗は、1マイル(約1.6キロ)以内に別の店舗がある。2014年は58.6%だった。また1マイル以内にある店舗数は平均3.6。2014年は平均3.3だった。

一部地域では数値がさらに高い。例えばカリフォルニア州の場合、75%の店舗は、1マイル以内に別の店舗がある。

表

1マイル以内に別の店舗があるスターバックス店舗の割合(黄色部分)

BMO Capital

BMOによると、スターバックスの店舗が密集した多くの地域には、同チェーン以外にもプレミアムカフェの選択肢が存在する。ブルーボトル、スタンプタウン、人気の独立系カフェなどだ。

スターバックスは、独立系カフェが同社にとって大きな脅威であると述べる一方で、アメリカ国内での新規出店は店舗売上に影響を与えていないと主張してきた。

「新規出店によるカニバリゼーションの影響は極めて正確に把握できている。長年見てきたが、ほとんど影響はない」と同社CFOスコット・モー(Scott Maw)氏は7月、投資家向け収支報告で述べた。

スターバックスの店舗総数の推移を表すグラフ

スターバックスの店舗総数の推移(1987年~2016年)

Mike Nudelman / Business Insider

しかしストレルチク氏は、新規出店の成功、つまり同社がカニバリゼーションを否定していることこそが、既存店舗に重くのしかかっていると主張する(2016年度、同社はアメリカ国内に約650店をオープン)。

「スターバックスは常に成長を続け、毎年、世界中に2000店を超える店舗をオープンしている。新店舗は、オープン初日から、競合他社を上回り、業界をリードする平均単価と利益をもたらし続けている」と同社の広報担当者レジー・ボーゲス(Reggie Borges)氏は語った。

「もちろんアメリカ国内、そして世界中の新店舗が成長するには、まだまだ長い道のりがある」

スターバックスは最近、新規顧客の獲得に苦戦している。既存店舗売上高が、以前に比べて遅いペースであれ増加しているにもかかわらず、過去1年の来店客数は四半期ごとに概ね同程度に留まるか減少している。

同社が過剰出店によるカニバリゼーションに直面するのは、これが初めてではない。2008年、スターバックスはアメリカ国内の不採算店、600店を閉めた。アメリカ国内の店舗総数は、1998年の1755店から、2008年には1万1567店になっていた。

また、店舗が多いせいで、プレミアムブランドとしての地位を維持することが以前より難しくなっている。スターバックスがどこにでもある状況では、顧客はもはや、高い料金に値するほど、高級でコーヒー好きに相応しい体験ができる場所とは考えないだろう。

「どこにでもあることが、自然な訴求力につながるはずだ」と同社CEOのケビン・ジョンソン(Kevin Johnson)氏は、今年4月、Business Insiderに語っている

[原文:One of Starbucks' former biggest advantages may be turning into a huge problem for the chain (SBUX)

(翻訳:本田直子)

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