ロシアが誇る「スホイ30SM フランカーF2」、F-15Eのライバル機のすべて

Su-30SM

スホイ30SMはマルチロール機、空対空、空対地のミッションが可能。

IRKUT

ロシアは先月、武装と電子機器の性能を向上させたスホイ30(Su-30)SMの最新型スホイ30SM1を発表した

National Interestによると、スホイ30SM1はまだ量産段階になく、製造した工場(Irkutsk Aviation Plant)に1機があるだけ。つまり、実働している最新のスホイ30は、依然として、スホイ30SMとなる。

同機はいわゆるマルチロール機で、空対空、空対地のミッションが可能。同じくマルチロール機であるF-15E ストライク・イーグルのライバルと称される。

スホイ30SMとF-15Eを比較していこう。

スホイ30SMはロシアの航空機メーカー、イルクート(IRKUT)が開発、初飛行は2012年。

Su-30SM

Russian Defense Ministry

F-15Eは、ボーイング(Boeing)の前身、旧マクドネル・ダグラス(McDonnel Douglas)が開発、初飛行は1986年。

Sources: Airforce-Technology and Airforce-Technology.

敏捷性と旋回能力を向上させる推力偏向システムを初めて搭載したインド向けのスホイ30MKIがベース。オリジナルのスホイ30はスホイ27 フランカーをもとに開発された。

Su-30SM

Russian Defense Ministry

F-15Eは、1972年7月に初飛行を行なったF-15Aの最新バージョン。

Source: Sukhoi and US Air Force.

F-15EやF/A-18F スーパー・ホーネットと同様に複座。偵察能力や目標発見能力が向上している。

Su-30SMのコクピット

Russian Defense Ministry

Source: The National Interest and Washington Post.

さまざまな爆弾や対空、対地ミサイルを搭載可能、最大搭載量は1万6000ポンド(約7300キロ)。

Su-30SMのミサイル

Russian Defense Ministry

F-15Eも、対空、対地などさまざま兵装が可能、最大搭載量は2万4500ポンド(約1万1000キロ)を超える。

Sources: Airforce-Technology, US Air Force and Defense Technical Information Center.

赤外線追尾型、レーダー追尾型の空対空ミサイルを、R-27なら8基、R-77なら10基、R-73なら6基搭載可能。さらにKh-31 対艦ミサイルなど、さまざまなミサイルや爆弾を搭載可能。

Su-30SMのミサイル

Russian Defense Ministry

新鋭機スホイ30SM1では、KAB-250 爆弾やX-59MK2 空対地ミサイルの搭載も可能と報じられた

F-15Eは、4発のサイドワインダーと4発のアムラール、もしくは8発のアムラールなど8発の空対空ミサイルを搭載可能。

Sources: Tass and US Air Force.

動力は2基のSaturn AL-31 ターボファンエンジン。1基あたりの推力は、2万7500ポンド(約1万2500キロ)。

離陸するSu-30SM

Russian Defense Ministry

F-15Eは、P&W F100もしくはGE F110 ターボファンエンジンを2基搭載。1基あたりの推力は、2万5000ポンド(約1万1300キロ)から2万9000ポンド(約1万3200キロ)。

Sources: Russian Defense Ministry and US Air Force.

最高速度はマッハ2。

離陸するSu-30SM

Russian Defense Ministry

F-15Eの最高速度はマッハ2.5。

Source: Airforce-Technology and Boeing.

固定武装は30ミリ機関砲1門、装弾数は150発。一方、F-15Eは20ミリ機関砲1門、装弾数は500発。

Su-30SM

IRKUT

Source: Russian Defense Ministry and US Air Force.

スホイ30SMはシリアで複数回の爆撃や制空ミッションを行った。2015年12月、16機が駐留していると報じられた。ロシアは長年、シリアを武器輸出マーケットに対するショーケースとしている。

Su-30SM

Wikimedia Commons

F-15EとF/A-18Fもシリアに展開している。F/A-18Fは6月、シリア政府軍のスホイ22を撃墜した。

Sources: The National Interest, Tass, Business Insider and The Aviationist

イルクートはスホイ30SMをロシア、ベラルーシ、カザフスタンに販売している。

着陸するSu-30SM

Russian Defense Ministry

一方、ボーイングはF-15Eシリーズをイスラエル、韓国、サウジアラビアに販売している。

Sources: UPI.

ロシアは現在、40〜50機のスホイ30SMを保有。2018年にはさらに17機を受け取る予定。

Su-30SM

Russian Defense Ministry

アメリカは現在、219機のF-15Eを保有している。

Source: US Air Force, The Diplomat and The National Interest.

[原文: This is Russia's answer to the F-15E Strike Eagle

(翻訳:忍足 亜輝)

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