その規模980兆円! ミレニアル世代が後押しする、新たな投資マーケットとは

ロックフェス

シカゴのグラントパークで開催されたロックフェス「ロラパルーザ」で、クラウドサーフするファン。

Reuters/Jim Young

  • モルガン・スタンレーの「持続可能な投資研究所(Institute for Sustainable Investing)」が1000人の投資家を対象に行った調査によると、ミレニアル世代は9兆ドル(約980兆円)規模のサステナブル投資市場に活力を与えている。
  • ただし、サステナブル投資から得られるリターンは、ますます少なくなるとの見方が広がっている。

アメリカのミレニアル世代は、単にアボカドトーストを食べ、Snapchatをしているだけではない。彼らは、金融街の9兆ドル市場の成長を後押ししている。サステナブル投資だ。

並外れたリターンと、社会・環境課題の改善を目指すサステナブル投資商品は、2014年から2016年にかけ、アメリカで33%を超える成長を見せていることが、モルガン・スタンレーの報告書でわかった。結果、その市場規模は6.57兆ドルから8.72兆ドルに拡大している。

2015年に続き、モルガン・スタンレーの持続可能な投資研究所がまとめた報告書「Sustainable Signals」は、1000人のアクティブな投資家を対象に、インパクト投資にフォーカスした調査を行い、年代別に検証。その結果、ミレニアル世代はインパクト投資市場の成長と、サステナブル・ポートフォリオ・オプション、グリーンボンドグリーンETFといった商品を下支えしていることがわかった。

報告書によると、ミレニアル世代は「社会的もしくは環境的な成果をターゲットに据えた企業やファンドに投資する可能性が、全世代平均に比べ、2倍高い」と言う。

ミレニアル世代の関心は2015年以降、高まり始めた。サステナブル投資に「関心がある」と回答した人の割合は、2015年から2017年で84%から86%に上昇、「非常に関心がある」と回答した人は、10ポイント増え、38%にのぼった。

サステナブル投資に対する関心度

サステナブル投資の関心度の変化を示したグラフ。全体では「関心がある」(青)「非常に関心がある」(緑)と回答した割合に大きな変化は見られなかったものの(左)、ミレニアル世代では「非常に関心がある」と回答した割合が10ポイント増えた(右)。

Morgan Stanley

報告書によると、サステナブル投資への関心の高まりは、持続可能性を重視する消費者の行動パターンに起因する。ミレニアル世代は商品を購入するにも、持続可能性の高い企業から買う傾向が全体に比べ、2倍高いのだ。モルガン・スタンレーのオードリー・チョイ(Audrey Choi)氏によると、こうした行動パターンは金融サービスにおいても見られると言い、「持続可能性に対する注目が集まるにつれ、消費者同様、投資家たちは投資判断を下すにあたり、これまで以上にサステナビリティを重要視するようになった」と述べている。

「我々が目にしているのは、氷山の一角に過ぎない」そう語るのは、グローバル・インパクト・インベスティング・ネットワークの共同創業者兼CEOアミット・バウリ(Amit Bouri)氏だ。同氏は、「人々の間に芽生えた関心は、今後数年間でより一層具体的なアクションとなって、金融サービス企業に影響を与えるだろう」と指摘する。

バウリ氏は今後、環境問題や社会的な課題について有益な目標を据えたファンドに、これまでにない規模の資本が投入されるだろうと見ている。UBSなどの資産運用会社は既に、顧客に対しより多くのインパクト投資を提案すべく、取り組んでいる。

UBSはBusiness Insiderに対し、サステナブル投資は2016年、400億ドルほど増えたと述べた。こうした投資は同行の「運用資産総額」の約35%を占め、金額にして9700億ドルにのぼる。

懐疑的な見方も

しかし、投資家たちはサステナブル投資に対し、不安も感じている。ミレニアル世代を含め、彼らは全般的に従来の投資オプションの方がより大きな利益をもたらすと考えている。

モルガン・スタンレーの報告書によると、投資家の50%以上がサステナブル投資には「トレードオフがつきもの」と考えている。そしてミレニアル世代の59%以上が、これは巷に広まっている神話だとするモルガン・スタンレーの説明に納得したと言う。

ミレニアルの意識調査:トレードオフ

持続可能性(サステナビリティ)と金銭的な利益は相反する(トレードオフの関係にある)と考えているミレニアル世代は多い。「大いにそう思う」(緑)と回答した割合は2015年に比べ、10ポイント増えている。「あまり思わない」(紫)「まったく思わない」(グレー)も、45%から37%に減った。

Morgan Stanley

「インパクト投資は話がうますぎると考えるのも、当然のことだ」バウリ氏はBusiness Insiderに語る。

同氏は、投資家たちがこのような一挙両得、つまりサステナビリティと儲けを両立できると信じることは難しいと指摘する。

「我々が行った調査によると、多くの研究でリスク調整後リターンは達成可能であることがわかった。サステナブル・ファンドと従来のファンドのオポチュニティに大差はない」とバウリ氏は話している。

[原文:Millennials are driving a $9 trillion change in investing

(翻訳:Conyac

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