AIで鳥のように気流読む「"無動力"自律飛行機」が示す未来(動画)

マイクロソフトリサーチが開発中のAI搭載エアプレーン

マイクロソフトリサーチが開発中のAI搭載エアプレーン。テストはネバダ州の農場で行われた。

空を飛ぶ小型飛行機やドローンへのAIの搭載は、従来のデバイスの価値を大幅に変えるブレークスルーになるとして注目を集めている。AI搭載といえば必要に応じて目的地を変えたり、障害物を避けるような「自律航行」を思い浮かべがちだが、それ以外のメリットもある。

マイクロソフトが着目したのは「燃料消費」だ。8月18日に公表した、マイクロソフトリサーチが研究開発中のAI搭載グライダーは、空の「上昇気流」をAIで分析し、自律的に気流をとらえるという。言ってみれば、大空を舞う鷹のように。

ネバダ州のテスト場の風景

見渡す限りの乾いた大地。周辺は砂漠だ。

気流を捉えて飛ぶことは、グライダー型飛行機にとって大きな意味がある。モーターを使わずに空を飛べるほか、バッテリーや燃料の大幅な節約によって超長時間飛行も期待できる。たとえば、飛行機自体に携帯電話の基地局機能を持たせて、人がほとんどいないような地域に低コストでインターネット回線を導入したり、大規模農場の空撮写真を上空から何日にもわたってリアルタイムに更新し続けるといったことにも使える。

テストはネバダ州の砂漠で行われた。実験機は離陸用のモーターはついているが、一旦離陸すれば、モーターや人の操作などなしに気流を見つけ自律飛行する。マイクロソフトリサーチの研究者アンドレイ・コロボフ氏は、自律型グライダー(セールプレーン)の目標を「私たちがやろうとしているのはセールプレーンを完全に自律型にし、行動パターンを自分で変更できるようにスマートにすることです」と説明している。

現実世界で自律的に飛行するには、気流をとらえるだけではない複雑な問題がある。気温や風向は当然として、飛んではならない飛行禁止区域に入らないようにする必要もある。そしてこれらの要素をリアルタイムで認識しながら、次の行動が及ぼす結果を予測的に行動しなければならない。

このクルマが臨時の研究室。

このクルマが臨時の研究室。

研究チームのメンバーであるリック・ロガーン氏は、ネバダ州の砂漠の焼け付く暑さの中おこなった過酷なテスト飛行の成果を「この夏、AIシステムは私よりもうまく操縦できる段階に達した」と語っている。

マイクロソフトが配信したこのニュースは、なかなか「読ませる」文体で、これ自体がAIの未来を語るユニークなコンテンツになっている。

AIの進展に興味がある人は、週末の時間があるときに、ぜひご一読を。

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