私が購入したブランドレスの商品たち。
Business Insider/Dennis Green
「ブランドレス(Brandless)」は、日用品や食料品などを幅広く取り扱うECスタートアップ企業。それぞれの商品は、全て3ドル(約330円)という魔法のような価格だ。
ブランドレスの背景にあるアイデアは、いわゆる「ブランド税」抜きに高品質な商品を販売することで、消費者にとっての付加価値を生むことだ。商品に大きなロゴを付ける代わりに、パッケージには詳しい商品説明が記載されている。
共同創業者のティナ・シャーキー(Tina Sharkey)氏とイド・レフラー(Ido Leffler)氏は、消費者の行動がどのように変化したか、その結果、どれほど多くの大手ブランドが苦戦しているかを目にし、このアイデアを思いついたという。
「ブランドやブランド商品によって構築された、間違った現代社会の消費文化は、痛みを伴う死へと急速に向かっている」シャーキー氏は語った。
その上で、消費者はオーガニックや非遺伝子組み換え食品(non-GMO)、値打ち品といった自身の価値観に従って、買い物をする傾向があると述べた。
ブランドレスの理念に魅了された私は、実際の商品を試してみることにした。
買い物は楽しかった。しかし、会計で最初の壁にぶつかった。ブランドレスは、送料として9ドルを請求してきたのだ。送料が無料になるのは、注文金額72ドル以上から。つまりあと56ドル分買わないと、送料が発生する。ただし、ブランドレスの会員になれば、48ドルで送料無料サービスが利用できる。
ブランドレスの注文画面。送料(SHIPPING)として9ドルが加算されている。
Screenshot
注文をあきらめそうになったが、ブランドレスが送料を割り引いていることに気付いた。初回注文は送料3ドル。OK、参ったよ、ブランドレス。
注文を済ませ、商品の到着を待った。購入したのは、トング、ひよこ豆、マカロニチーズ、ジェル状ハンドソープ、ココナッツクッキー、ピーナッツバターだ。
Business Insider/Dennis Green
商品は4日後、FedExで到着。きれいに梱包されていた。箱とそのテープはブランドレスのロゴで(ある意味、皮肉にも)全て統一されている。箱の中には、「ブランドレスへようこそ」と書かれたあいさつ文が入っていた。
早速、ココナッツクッキーの袋を開けてみた。旅行の荷造りをしていて、丸一日まともな食事をするのを忘れていたのだ。しかし、お腹がすいていたのに、私にはこのクッキーがさほどおいしいとは思えなかった。甘くてココナッツ感満載だったが、とても割れやすく、底にはたくさんの破片が。
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一袋約130グラム入りのクッキーを食べ進めるうちに、たくさんの塩が使われていることに気付いた。結局、一袋完食してしまった。
ただ、私の意見を言えば、3ドルという値段は一度に食べてしまうクッキーとしては少し高い。比較すると、ターゲットで3ドルで売られている「オレオ」は、約410グラム入りだ。オレオは非遺伝子組み換え食品(non-GMO)ではないが、おいしい。
届いたトングは素晴らしかった。単なるトングに大喜びするのも難しいが……しっかり機能してくれる。本音を言えば、もっと頑丈なものを期待していたが、悪くはない。際立ったところはないが、3ドルのトングなのだ。
Brandless
ブランドレスで販売されているトングは、アマゾンで約6ドルで販売されている商品と同じように見える。だとすれば、ブランドレスはかなりお得だ。
次に進もう。
ある晩、疲れ切っていた私は、夕食にマカロニチーズを作った。クラフトフーズの簡単に作れるマカロニチーズと同じような商品だ。オーガニックなのでとてもおいしいのではと期待したが、そうはいかなかった。本当に何の味せず、私はがっかりした。一気にかき込んだ。
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ブランドレスのハンドソープは素晴らしい。1本約270グラム入りで3ドルなのだから、当然だ。ラベルには、ローズマリーとラベンダーの香りとある。実際にはローズマリーの香りだけがする。悪くない。ローズマリーは良い香りだ。私はローズマリーの香りが好きだ。
Brandless
今後はもともと使っていた、ターゲットで販売されている約210グラム入り、0.99ドルの詰め替え用を買おうと思うが、日々の生活に豊かさを加えるには良かった。それでも、ハンドソープを使い切るたびに3ドルを費やす必要はないと感じている。
ブランドレスのオーガニック・ピーナッツバターは、ピーナッツと塩のみで作られている。余分な油を加えていないため、分離がひどい。しかし、これは最小限の加工で作られている証だ。この商品は本当においしいが、相対的に評価できるほど高級なピーナッツバターを食べた経験はない。
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ブランドレスのピーナッツバターは、1瓶約340グラム入りで3ドル。約430〜450グラム入りの一般的な商品よりも小さいが、ブランドレスの商品はオーガニックで、加工も最小限だ。
ひよこ豆はまだ食べていない。スーパーの店頭価格と同じ1ドルだったが、ブランドレスの商品は減塩でオーガニック、非遺伝子組み換え食品(non-GMO)。お得だ。
Brandless
ブランドレスが送料無料なら、私はまた買うだろう。1缶ずつ買えるところも気に入った。そんなにたくさんの量を求めていない1ドルの豆の缶詰を3つまとめて買わされることもない。
全体的に見れば、3ドルのバーゲン商品でいっぱいのオンラインストアという振れ込みは、話がうますぎるように思える。ブランドレスは玉石混交だ。他の店と同様、あなたが何を買うかが全てだ。賢く買おう。
[原文:I tried the 'brandless' startup that sells everyday items for $3 — and there's a huge catch]
(翻訳:本田直子)