マイクロソフトのCEOサティア・ナデラ氏(左)とビル・ゲイツ氏(右)。
Microsoft
1980年頃、ビル・ゲイツは、彼が設立したマイクロソフトに明確なミッションを与えた。それは「コンピュータをすべての机と、すべての家庭に」というものだった。
しかし、1992年にプログラマーとして同社で働き始め、2014年にトップの座に就いた同社の現CEO サティア・ナデラは、ゲイツの有名なミッションには大きな問題があると考えている。
「1992年にマイクロソフトに入社した時、各家庭にPCを普及させるという使命を我々はよく話題にした。しかし、その10年後、少なくとも先進国ではもう実現してしまった」とナデラは、27日月曜日に掲載されたUSA Todayで語った。
「普遍的な使命と一時的な目標を我々が混同してしまったことに、わたしはいつも苛立ちを覚えていた」。ゲイツは自身で掲げたミッションが完了してしまった後のことを考えていなかった ―― 。ナデラはそう考えている。2000年代、前CEO スティーブン・バルマーのもと、マイクロソフトは、革新的であるよりも、PC業界への支配力の維持に力を入れていることで知られていた。
ナデラは、強力な目的意識を共有することで、マイクロソフトを活性化できると信じている。マイクロソフトの使命は「地球上のすべての人やすべての組織に、より多くのことを達成できるよう力を与えること」。2015年にナデラはそう述べた。そして、マイクロソフトがこれまでの成功にあぐらをかかないよう戒めた。
ナデラのもとで、マイクロソフトはWindows OSとPC偏重の戦略を撤回し、AzureとOffice 365など、クラウドコンピューティング・ソリューションを重視する戦略に舵を切った。同社の旧来のビジネスが停滞する中、この2つのサービスは着実に成長している。実際にはまだ収益の柱というほど、力強い存在ではないが、確実に同社のイメージ回復をサポートしている。
ゲイツは以前、ナデラと一緒に働くこと、特別顧問として2世代離れた後任者に協力すること、そしてApple、Google、Amazonに対抗するため、同社の最先端技術への投資を手助けすることに喜びを感じるとUSA Todayに語っていた。
[原文:Microsoft CEO Satya Nadella says Bill Gates' original mission 'always bothered me']
(翻訳:Conyac)