眼精疲労はデジタル時代の病。
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コンピュータに向かって仕事をしていると、1日が終わる頃に目の調子が悪いと感じることが多いだろう。
スクリーンを見続けた後は目が乾燥する。時にはかゆみを伴い、視界がぼやけ、ひどいときには炎症を起こし、頭痛を伴う不快感に襲われることもある。
この症状は眼精疲労として知られており、コンピュータを1日中見続けた後に感じるそれは、「デジタル眼精疲労」と呼ばれている(携帯電話を休み時間に見続け、その後コンピュータに向かう仕事に戻ったり、家でほかのスクリーンを見た場合にも起こりうる)。
米国眼科学会の臨床部門スポークマンであるラーフル・クラーナ(Rahul Khurana)氏は、「これは大きな問題だが、眼精疲労とコンピュータの関係性を大げさに騒ぎ立てている印象もある」と指摘する。たとえば、スクリーンを見続けることで失明のような重い症状が起きた例はない。 だから、眼精疲労を避けるための特別な眼鏡を購入する必要はない。 クラーナ氏は「眼精疲労は不快感を与え、炎症を引き起こすが、回復不能なダメージを与えるまでには至らない」と語った。
クラーナ氏によると、眼精疲労はちょっとした取り組みで避けることができる。
まずは、まばたきの回数が眼精疲労の主な原因であることを理解しよう。
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コンピュータのスクリーンに集中していると、まばたきの回数は減少する。1分間に15回ほどしていたまばたきが10~12回に減ると、目の乾燥を引き起こす。 コンピュータに向かう時だけでなく、本や雑誌を集中して読む時も同じ症状が出やすい。
New York Eye and Ear Infirmary of Mount Sinaiで網膜科のディレクターを務めるリチャード・ローゼン(Richard Rosen)氏は、「角膜細胞の乾燥がある段階を超えるとその日のうちに角膜細胞を回復できなくなる」と述べた。
目に潤いを保つ。
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ひたすら何かに集中している時にまばたきをすることを思い出すのは難しいが、努力する価値はある。
人工涙液や目薬は一日中目を快適に保つ。特に乾燥した場所にいる場合は、加湿器も効果的だろう。
20-20-20のルールで目を休める。
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クラーナ氏は、単純なルールを守ることで目を休めることができると述べている。 20分ごとに、最低20フィート(約6メートル)先の距離を20秒間見る。 目を休め、まばたきの回数を増やすことができる。
スクリーンのグレアを避け、適切なライト調整を心がける。
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スクリーンの光が周囲の光よりもはるかに明るい(または薄暗い)場合は、目が光の量を調整する必要があるため、目の負担になる。
負担を減らすためには、スクリーンの明るさが部屋のライトの明るさと近いか確認しよう。それでもグレア(スクリーンの光沢)に問題がある場合は、マットスクリーンの購入を検討するべきだ。
コンタクトレンズは目の乾燥を引き起こしやすい。
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米国眼科学会のサイトEye Smartによると、コンタクトレンズは乾燥や目の炎症をより引き起こしやすい。時には眼鏡を使用しよう。くれぐれもコンタクトレンズを装着したまま寝ないように。
トラブルを抱えている場合は、眼科医に相談する。
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ぼやけ、充血、膿など、 深刻な目のトラブルが続く場合、ただの眼精疲労ではないかもしれない。 違和感を感じる場合は眼科医を訪ねよう。 目の病気の治療は、早期発見がカギだ。そして、コンピュータ用の眼鏡が簡単にトラブルを解決するとは思わないことだ。
クラーナ氏は、「コンピュータ用の眼鏡を患者に使用することは勧めない」と述べている。 トラブルがある場合は、眼科医に相談しよう。
(翻訳:蓮)