氷の中で発見された太古のウイルスが、生物学の長年の謎を解き明かす

南極

AP/Natacha Pisarenko

B級ホラー映画のように聞こえるかもしれない。だが科学者たちは最近、氷の中に眠る膨大な量の古代ウイルスを発見した。地球の温暖化が進むと目を覚ます可能性もあると言う。

しかし、この新たに発見されたウイルスの一部は、我々の健康を脅かす存在となる前に、生物学における長年の疑問 —— そもそもウイルスはどこから来たのかなど —— に対する重要な手がかりを与えてくれるかもしれない。

オーストラリアのニューサウスウェールズ大学(University of New South Wales)の科学者たちは今週、その可能性がある初めての微生物を南極大陸沖の湖で発見した。この微生物は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)や一般的な風邪の原因となるウイルスなどが、どのようにして存在するに至ったかのヒントになる可能性がある。科学者たちは、この微生物が地球最古の細胞から派生したと考えている。この発見の詳細は、科学ジャーナル誌「Nature Microbiology」にまとめられている

研究者は、南極に近い沿岸の島々にある岩だらけの湖の奥深くでバクテリアに似た生物を発見した。だが実際はバクテリアに似た生物ではなく、その生命体は古細菌(アーキア)として知られる、主に過酷な環境下で活動する単細胞生物の一種であることがわかった。しかし、最も興味深い発見は、その生物の細胞奥深くにあった。科学者たちは自己複製する微小なDNAの一片を発見したのだ。

このようなかけらは、プラスミドとして知られている。通常、プラスミドが存在する細胞質内で役立つ遺伝物質を持つ。しかし、今回見つかったプラスミドは違った。細胞内に留まる大半のプラスミドとは異なり、彼らが「pR1SE」と名付けたこのプラスミドは、細胞壁から自由に抜け出すことができるのだ。自身を守る脂質でできた泡に包み込まれたpR1SEは、宿主細胞から飛び出し、次に住む別の細胞を探しているのかもしれない。

この行動は不気味なほどウイルスに似ている。

「pR1SEの見た目と動きは、まるでウイルスのようだ。しかし、プラスミドでしか見つかっていない遺伝子を持ち、ウイルスと結論付けられる遺伝子はない。pR1SEはウイルスの特性を持ったプラスミドだ」New Scientistの最新記事でマイケル・マーシャル(Michael Marshall)氏はそう書いた。

つまり、pR1SEは長年の科学の謎を解き明かす可能性を持つ、DNAとウイルスの間の「ミッシングリンク」なのかもしれない。

[原文:Ancient viruses are being unearthed in ice — and they could help solve a big mystery about what makes us sick

(翻訳:Keitaro Imoto)

ソーシャルメディアでも最新のビジネス情報をいち早く配信中