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AIは人間の敵ではない。“相棒”にするには「誰もが使える道具」にすること

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AI(人工知能)の登場で仕事や働き方のあり方が議論されている。なかでも日本では「人間の仕事を奪う」という「AI脅威論」が根強い。

現在すでに事業としてAIを活用している人たちはどう感じているのだろうか。「IBM Watson」(以下Watson)を提供する日本アイ・ビー・エムの元木剛さんと、コールセンター等でAIを活用するトランスコスモスの緒方賢太郎さんに聞いた。 AIは働く私たちの敵ですか? 味方ですか?

トランスコスモスの緒方氏とIBMの元木氏

AIを使ったコミュニケーションサービスを提供するトランスコスモスの緒方賢太郎氏(左)と、日本アイ・ビー・エムでWatson事業を牽引する元木剛さん(右)。

ブームの兆しは3年前から

—— 「第3次AIブーム」と言われています。AIを研究・活用しているお2人は、このブームをどう見ていますか。

緒方賢太郎(以下、緒方):トランスコスモスでは主に、コミュニケーションや分析の領域でAIを活用しています。以前に比べ、取得できるデータ量、処理スピードの向上に加え、ディープラーニング(深層学習)などの新しい技術の登場でAIが活躍する素地ができました。

でも、個人的には「AIの利活用はまだ始まったばかり」という認識です。

元木 剛(以下、元木): 今回のブームは「ビッグデータを基盤にした新しい動き」と捉えています。Watsonがデビューしたのは6年前ですが、この数年で、テキスト文書、画像、音声、映像など構造化されていないデータを扱えるようになりました。

——データの処理量が増えたことが、「第3次AIブーム」のきっかけになりましたよね。このトレンド、いつごろから感じていましたか。

元木: 3年ほど前です。Watsonは6年前のデビュー当初からビジネスで引き合いがありました。当初は医療や金融など一部の業種に留まっていたものが、全業種に広がりを見せたのが3年ほど前。Watsonの事業部をつくったのもこのころです。

人間らしさの演出に2秒の間

トランスコスモス緒方氏

——「AIは敵か味方か」論議が盛んですが、ビジネスや生活にAIが入ってくるのは不可避ですよね。どのような変化を想定されていますか?

緒方: ルーティンワークはAIに取って代わられる、という言説はその通りだと思います。でも、それで人間の仕事がなくなるかといえば、そうではない。

例えばコールセンターは人に関わる仕事ですので、採用が難しく、新人教育にも時間がかかります。お客さまとのやりとりを習熟しているAIを活用すれば教育時間は短くなりますが、そのAIを学習させるのは人間なんです。

元木:一方で、毎回ゼロベースで学習させると、新たな手間もかかります。コールセンターでは業界によってお問い合わせの傾向が似ているので、当社はトランスコスモスさんと協業し「コールセンター〇〇業界用」といったAIを作り、企業にカスタマイズし、導入しています。

緒方:人のコミュニケーションのスタイルも変わりました。当社のコールセンターも徐々に機械化を進めてきていますが、最近は「人間だと話しづらい」という人も出てきた。若い人は(機械との)チャットの方が気軽に話しやすいようです。人間相手だと警戒するところが、機械相手だと情報も提供しやすい、という傾向も見えてきました。

元木:特に若い世代は、電話をしなくなりましたからね。テキストでのやりとりが多い。

緒方:そのせいか、有人チャットでも質問にすぐ回答すると「機械っぽい」となるんですよ(笑)。人間が人間らしさを演出するため、いまは2秒の「間」をおいて回答したりしています。こうした学びをAIに移植し、AIをさらに人間に近づける工夫もしています。

理想は、人間と機械がシームレスにサービスできることです。機械の対応に不満があれば、即座に人間が介入する。機械が対応できなかったことは人間が学習させて、次回につなげる。少なくとも当社において、AIは「敵か味方か」ではなく補完関係、「相棒」ですね。

AIを誰もが使えるツールに

緒方: AIの活用は始まったばかりですが、いまでもできることはたくさんあります。例えば消費者とのチャットのログを上手に分析すれば、その人が見て「うれしい」と思える広告を出したりもできるはず。いわゆる「広告の最適化」ですが、消費者にも、企業にもメリットをもたらすコミュニケーションのあり方はあるはずです。

AIの活用に足りないピースは何か、を考えたいと思っています。

——8月にトランスコスモスが発足させた「コミュニケーションサイエンスラボ」は、そうした研究をする組織ですか?

緒方:はい、AIを使った次世代コミュニケーションのあり方を考えます。具体的には、事業会社である当社が「こんな技術があったらいいのに」と思うものを、研究機関や大学に橋渡しながら実現するイメージです。

元木:いまはありとあらゆるデータが発生し、記録されています。身の回りのデータで健康状態がわかるかもしれない。活用されていないデータも、うまくすれば価値になるんです。

IBM元木氏

——日本人はデータの分析は得意ですが、価値を生むという発想がないように思います。

緒方:それでも、肝はやはり「分析」です。例えば当社が持つ通販会社の「日本直販」では、お客様に送るDMのターゲット先をAIの手法を取り入れて抽出したところ、効果が上がりました。データアナリストが想定していなかった分析手法やデータを入れたことが成功要因でした。

元木:究極的には、AIを「誰もが使える道具」にしたいんです。これまでは一部の専門家や特定の部署が使っていましたが、今後はマーケティングや品質管理担当など、実際の課題に直面している方に使ってほしい。当社ではWatsonに特定分野の文書を目的に応じて読み込ませるためのツール「IBM Watson Knowledge Studio」を提供しています。

——現在のAIの進展に最も影響しているのはディープラーニング(深層学習)だと思いますが、実業に活かした例はまだ多くはありません。どのような活用法があるでしょう?

緒方:音声や画像などの認識領域ではすぐに使えると考えています。例えば広告のクリエイティブではどのような画像が効果を生むのか、などです。 AIは人間の仕事を代替して効率化させる面と、人間が気づかないことを抽出してプラスアルファをつくる面があります。対話の自動化は前者、後者はディープラーニングが得意な領域だと思っています。

元木:画像や音声の認識はディープラーニングが活用できることがある程度わかっています。機械翻訳はディープラーニングによって精度が上がった領域です。音声認識も80−90%くらいまでは対応できると言われていますが、果たして何%まで上がったら実用レベルになるのかは難しいところです。

——改めて伺います。AIは敵ですか、それとも味方ですか。

緒方:やはり「使いよう」だと思います。うまく使えば、人間はラクになるし、新たな気づきも得られる。自分たちの仲間になるように育てることで、いい相棒になるのではないでしょうか。

元木:「人間を超える」という話もありますが、「人と触れ合いたい」といった根源的な欲求には応えられない。やはり「どう利用するか」という観点で考えるべきだと思います。

緒方:突発的なできごとに機転を利かせて対処できるのが人間。過去のデータをもとに効率よく判断するのがAI。なくなる仕事もありますが、それによって生まれる新たな仕事もあり、人間の役割が変わっていくのだと思います。

(撮影:今村拓馬)


緒方賢太郎(おがた・けんたろう):トランスコスモス上席常務執行役員。1994年ジェーシービーに入社。海外部門、経営企画などに従事した後、ボストンコンサルティンググループへ。マーケティング、顧客チャネル構築などのコンサルティングを経て、2014年より現職。新設したコミュニケーションサイエンスラボ所長も務める。

元木剛(もとき・つよし):日本アイ・ビー・エムWatsonソリューション担当理事。1986年日本アイ・ビー・エム入社。大和研究所に配属後、米アイ・ビー・エム本社戦略企画部門へ出向。その後、大和研究所事業企画担当やアライアンス事業OEM&EmbeddedSystems担当理事を経て、2014年より現職。


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