バフェットは10代にして、彼が通う学校の教師よりも稼いでいた。新聞配達によって。
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8月30日、ビリオネアで伝説の投資家ウォーレン・バフェットが87回目の誕生日を迎えた。770億ドル(約8兆5000億円)近い総資産を誇る「オマハの賢人」は現在、世界で4番目に裕福な人間だが、そんな素振りは全く見せない。
ネブラスカ州にあるバフェットの自宅は質素で、その価値は自身の総資産の0.001%に過ぎず、毎日の朝食はマクドナルドで食べる3.17ドル(約350円)のメニューだ。
バフェットを最初から知る人にとって、その成功は驚くものではない。11歳から株を買い始め、16歳の頃には現在の価値にして5万3000ドル(約580万円)の蓄えがあった。
だが、バフェットには稼ぐだけではなく、与える才能もある。最初の妻の勧めによって、寄付をするようになったのは人生も後半に入ってからのことだが、ここ10年で270億ドル以上を寄付するなど、今や世界で最も惜しみない慈善家の1人だ。
Q&AサイトQuoraのスレッド「ウォーレン・バフェットの驚くような事実と言えば?」との質問にインスパイアされたBusiness Insiderは、この伝説の投資家の驚くべき24の事実をまとめた。
小学校の同級生たちがメジャーリーグやハリウッドに憧れていた頃、10歳のバフェットはニューヨーク証券取引所の関係者とランチを食べ、人生の目標を決めた。
バフェットは早くから成功し、それを維持してきた。
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バフェットの伝説的なキャリアは全て、10歳の頃、父親と旅したニューヨーク・シティでのひらめきから始まった。ニューヨーク証券取引所の関係者との食事会が、若きバフェットを金融の道へと導いた。
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10代にして、毎月175ドルを稼いでいた。これは彼が通う学校の教師はもちろん、大半の大人よりも多かった。
10代の頃は、新聞配達をしていた。
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「ワシントン・ポスト」を配達していたのだ。
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そして16歳の頃には、現在の価値にして5万3000ドルを蓄えた。
バフェットは若い頃から、稼ぎ方を知っていた。
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新聞配達は、若きバフェットの数々の小さなビジネスの1つに過ぎない。他にも、使用済みのゴルフボールや切手、中古車を販売したり、ピンボール台ビジネスを立ち上げたり、馬場を採算の取れる公園に整備するなどしていた。
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大学受験では、ハーバード大学のビジネススクールに落ちる。
ハーバード大学のビジネススクール。
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自信満々のバフェットは、面接の結果が出る前から友人に「一緒にハーバードに行こう」と話していた。
「見た目は16歳でも、精神年齢は9歳くらいだった」と、後にバフェットは語っている。他を探す必要に迫られたバフェットは、結局コロンビア大学に落ち着いた。入試は応募書類を提出すればよく、面接はなかった。
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憧れの人の下で働きたいと考えたバフェットだが、最初は雇ってもらえなかった。
ベンジャミン・グレアム(左)。
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バフェットが憧れていたのは、『賢明なる投資家 』(原題:The Intelligent Investor)の著者ベンジャミン・グレアムだ。だが、グレアムは、バフェットがユダヤ人でなかったため、雇わなかった(当時、金融街ではユダヤ人が仕事を見つけるのは難しく、グレアムはそうしたユダヤ人のためにポストを取っておこうとした)。ところが、バフェットはグレアムの「ノー」を受け入れず、その後も実際に雇ってもらえるまで、グレアムに自身のアイデアを提案し続けた。
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人前で話すのが苦手なバフェットは、100ドルを払ってデール・カーネギーのパブリック・スピーキングのコースを受講したことも。
バフェットと現在の妻。
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21歳になったバフェットは、人前で話すのが大の苦手だった。だが、受講の価値はあった。妻へのプロポーズに役立っただろうから。
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バフェットの自宅はネブラスカ州オマハにある。5つの寝室を備えた質素な家だ。1956年、3万1500ドルで購入した。
ネブラスカ州オマハ。
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バフェットの隣人になりたい? 道を挟んで反対側にある住宅は、約215万ドルで買える。
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バフェットのデスクに、コンピューターはない。スマホではなく、ガラケーを使っている。
バフェットのオフィスにある最もハイテクなガジェットは、固定電話だ。
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だが、オフィスの棚には、ワールドブック百科事典が並んでいる。
出典 : James Altucher, Business Insider, and CNN
実際、バフェットがこれまでに送ったEメールはたった1通。マイクロソフトのジェフ・レイクスに宛てたものだ。
バフェットはテクノロジーを避けて通ることに成功してきた。
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テクノロジーから距離を置くことで、バフェットはブリッジの時間を確保している。週に12時間はプレーしている。
バフェットとビル・ゲイツ。
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ブリッジの相手は、概ねビル・ゲイツだ。
出典 : James Altucher
1日の80%は、読書に費やしている。
バフェットの1日は、8割が読書。
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ブリッジをプレーしている時以外は、本を読んでいる。「オフィスに座って、一日中読んでいる」とバフェット。
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毎日、とんでもない量のコーラを飲む。
チェリーコークが大好き。
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ビジネス界の大物は、栄養学的にヘルシーとは言えない食生活を送っている。
「1日に2700カロリーを摂取しているとしたら、その4分の1はコカ・コーラだ。少なくとも12オンス(約350ミリリットル)入りを5本飲んでいる。それが日課だ」
塩も大好き、朝食後のアイスクリームも欠かさない。
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伝説的な投資家の中でも、バフェットは最も長くマーケットで勝ち続けている。
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デービッド・アインホーンやウォルター・シュロスといった著名投資家も、バフェットにはかなわない。
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バフェットがバークシャー・ハサウェイを買収した1964年、同社の株価は19ドル。当時、1000ドルを投資していれば、現在、1300万ドルになっていただろう。
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バフェットの総資産はウルグアイのGDPを上回る。
ウルグアイのサポーター。
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ウルグアイの2014年のGDPは、574億7127万7325ドル(推定)。
倹約家だが、与えることを惜しまない。2010年、ビル・ゲイツとその妻メリンダとともに「Giving Pledge」の活動を開始した。これは世界の富裕層に対し、その富を慈善活動に捧げようと呼びかけるものだ。
バフェットとゲイツ。
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2016年6月時点で、この活動には154人以上が参加している。マイケル・ブルームバーグ、マーク・ザッカーバーグ、ラリー・エリソンも署名している。
出典 : Business Insider, Fortune
バフェットがこれまでに寄付した金額は、アップルの新本社の建設費50億ドルの6倍にのぼる。
バフェットは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団に数十億を寄付している(写真右がメリンダ・ゲイツ)。
Reuters
その額、約300億ドル。ビル・ゲイツに次ぎ、世界で2番目に多い寄付額だ。
出典 : Forbes
2013年、バフェットは1日あたり平均3700万ドルを稼いだ。これは、女優ジェニファー・ローレンスが1年で稼ぐ金額を上回る。
ジェニファー・ローレンス。
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フォーブスによると、ジェニファー・ローレンスは2013年、世界で2番目に稼ぐ女優だった。その年収は3400万ドルと推定された。バフェットはその金額を上回る3700万ドルを1日で稼いでいた。
出典 : MarketWatch
2016年7月、バフェットは29億ドルを寄付し、自身の記録を塗り替えた。寄付先には、ビル&メリンダ・ゲイツ財団やスーザン・トンプソン・バフェット財団(バフェットの妻の名前を取ったもの)が含まれる。
バフェットは毎年、数十億ドルを寄付している。
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出典 : Forbes
バークシャー・ハサウェイの年収だけで10万ドルを超えると言われるが、バフェットは節約家だ。
バークシャー・ハサウェイの年次総会。
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出典 : GOBankingRates
「伝説のバフェット」の人気は高い。彼とランチをともにすべく、数百万ドルを払う人たちもいる。
バフェットが昼食に訪れる「Smith & Wollensky」。
Art Bochevarov/flickr
バフェットは2000年以降、自身の「パワーランチ」をオークションにかけている。これは、サンフランシスコの貧困者支援慈善事業団体、グライド財団(GLIDE Foundation)のためのチャリティー・イベントとして行っているもの。
落札者は最大7人を伴って、ステーキ好きなバフェットと食事ができる。場所はマンハッタンにあるステーキハウス「Smith & Wollensky」、直近の落札額は、345万6789ドルだ。
出典 : CNN Money
バフェットは、お金と成功はイコールではないと考えている。「どれだけの人に愛されるか、わたしはそれで成功を測る。そして愛されるためには、愛らしくあることだ」
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出典 : James Altucher
(敬称略)
(翻訳:編集部)