ウォーレン・バフェット氏。
Lucas Jackson/Reuters
消費者が外部のブランドよりも、小売業者の独自商品を好む傾向は強まる一方だ。アマゾンのホールフーズ買収は、その良い例だ。バークシャー・ハサウェイのCEOウォーレン・バフェット氏は8月30日(現地時間)、CNBCに語った。
「常に大規模な戦いがある」ビリオネアで投資家のバフェット氏は、毎年開催しているチャリティーランチの会場でインタビューに応じた。「ブランドと小売業者の戦いは何十年も続いている。プライベートブランドが生まれたのは、小売業者がある程度、自社ブランドを強化しようとした結果だ」
「ウォルマートやコストコ、アマゾンといった強力な小売業者が強くなり続ければ、その地位は改善される。近年、広告でパッケージ商品の顧客を獲得することは、ますます難しくなっている」
消費者のブランド離れは、「絶望の領域(sphere of despair)」を生み出している。5月に出したメモの中でそう述べたのは、Barclaysだ。「ジェネリック」商品の評価が改善されたことで、小売業者は「"ストアブランド"への投資により積極的になっている」という。
事実、ジェネリック商品は消費者に歓迎されるため、ブランド名を派手に表示せず、簡素な商品を販売するスタートアップ「ブランドレス」は5000万ドル(約55億円)をベンチャーキャピタルで調達した。
アマゾンとホールフーズも、近年、自社ブランドの開発に余念がない。
UBSによると、アマゾンはオンラインのバッテリー市場の90%を占め、その大半はAmazonBasicsから販売されているプライベートブランド商品だ。他社製品に比べて価格が安く、消費者から見て、品質も変わらない。これはバフェット氏が所有するDuracellのような、高品質をうたうブランドにとって、悪い知らせだ。
ホールフーズも以前、自社ブランド商品のみを扱う「365 store」を展開することを発表していたが、アマゾンの買収後、これらの小規模フォーマットの店舗がどうなるかは不明だ。
だが、ストアブランドの台頭は「製造業者の価格決定権を大幅に弱めている」とBarclaysは指摘する。バークシャー・ハサウェイが保有するモンデリーズ(Mondelez)やネスレ(Nestle)、ユニリーバ(Unilever)やP&G(Procter and Gamble)などの消費財を扱う大企業も、戦々恐々としている。
「常に戦いはある」バフェット氏は言う。「だが、現在のラウンドでは、小売業者が優勢だ」
[原文:WARREN BUFFETT: A 'huge struggle' is taking place between brands and retailers]
(翻訳:まいるす・ゑびす)