カリフォルニア州で行われた、スペースX主催のハイパーループの大会『Hyperloop Pod Competition II』に登壇するイーロン・マスク氏。
Reuters/Mike Blake
スペースXが、世界中の学生が参加できるハイパーループ(Hyperloop)の大会を開催したが、同社は今大会を、自社が開発したシステムの実験をする機会にしているようだ。
真空状態のチューブの中を磁気浮上式のポッドが移動するハイパーループは、全く新しい交通手段として注目されている。最終的には、乗客を時速700マイル(約1100キロメートル)で都市から都市へと運ぶことを目標としている。
スペースXは2015年、世界中の学生に向け、このハイパーループの設計と製作を呼びかける「挑戦状」をアナウンスした。そして今年8月27日(現地時間)、学生たちがその成果を競い合う大会が開催されたのだ(結果はこちら)。
この大会に先駆け、スペースXとテスラは、学生たちが作ったポッドの移動を補助する「プッシャー・ポッド」をデザインしていた。そして数日前、両社はこのプッシャーポッドの実地試験を行うことを決定、その結果、最高速度は時速220マイル(約354キロメートル)に達し、史上最高速度をマークした。
今大会を制した学生チーム「WARR Hyperloop」も、同じコースで時速210マイル(約338キロメートル)を記録している。今回のコースは全長1.25キロメートルと短いため、より長いコースでは、どちらのポッドもスピードの向上が見込めるという。
このシステムの商用化を目指すスタートアップ企業Hyperloop Oneもまた、今年8月にネバダ州にある500メートルの試験コースで、時速192マイル(約309キロメートル)を記録している。
マスク氏は、同氏が立ち上げた中で最も新しいベンチャー企業Boring Companyで、ニューヨークとワシントンD.C.間をつなぐ商用ハイパーループを建設したいと語っている。
[原文:Tesla's Hyperloop pod just set a speed record of 220 mph]
(翻訳:忍足亜輝)