ミグ31「フォックスハウンド」。
Russian Ministry of Defense
ミグ(MiG)の通称で知られるロシアの航空機メーカー、ミコヤンの社長イリヤ・タラセンコ(Ilya Tarasenko)氏は、ミグ31(Mig-31)の後継機は、宇宙を飛べるとロシアのテレビ番組で語った。
PAK DP、いわゆるミグ41(MiG-41)は、「宇宙での作戦能力、新兵器、今までにない速度と航続距離を備える」と同氏は語った。
タラセンコ氏は、ミグ41はミグ31の「魂を受け継ぐ」一方、「まったく新しい航空機」となるだろうと述べた。主に北極方面で使用され、時速約4500キロで飛行し(ミグ31よりも約1600キロ速い)、レーザー兵器を装備した無人機になると付け加えた。
だが、ミグ41はまだ設計中かつ計画は機密扱いなので、同氏の発言の真偽を確かめることはできない。
「ミグ31の後継機開発について、さまざまな議論と初期調査が行われているが、あくまでごく初期段階のものだ」と、ロシアの軍事専門家ヴァシリー・カーシン(Vasily Kashin)氏は4月、外交専門誌ナショナル・インタレスト(National Interest)に語っている。
ミグ31の高高度性能や速度を考えると、タラセンコ氏の発言は可能性が無いとは言えない。しかし、ロシアはこれまでも、実現不可能な発言を繰り返している。たとえば2015年には新型戦車T-14 アルマータを2020年までに2300両製造すると述べた。だが予算上の問題で、わずか100両しか製造されない。
一部の軍事専門家は同様の理由で、ロシア政府がミグ41の費用を確保できるかどうかについて懐疑的だ。
ミグ41はまだ設計中かつ計画は機密扱いなので、情報の真偽を確かめることはできない。
Russian Ministry of Defense
「『計画を立てれば、予算がつくだろう』という考え方で始まった、まだ机上のプロジェクトだろう」と軍事産業の関係者は4月、ナショナル・インタレストに語っている。
ミコヤンは、ミグ41の製造を2020年代半ばから始めるとしている。また、カーシン氏は2035年から2040年までに配置が始まるだろうと同誌に語った。
つまり、ロシアが本当にミグ41を製造するのか否か、そして、その性能がどのようなものになるのかにかかわらず、ミグ31は2030年代まで、依然としてロシアの主力迎撃戦闘機というわけだ。
[原文:Russia is making wild claims that its MiG-31 successor will be able to fly in space]
(翻訳:四方田里奈)