ミグ31は2030年代まで依然としてロシアの主力迎撃戦闘機であり続ける。
Russian Ministry of Defense
ロシアの航空機メーカー、ミコヤンのCEOイリヤ・タラセンコ(Ilya Tarasenko)氏は、ミグ31(Mig-31)の後継機、いわゆるミグ41(MiG-41)は、宇宙空間を飛行し、最高速度は時速4500キロ、レーザー兵器などを搭載すると語った。
だが、ミグ41は仮に製造されても、2035年から2040年までは配備されない。つまり、ミグ31は2030年代まで依然としてロシアの主力迎撃戦闘機であり続ける。
CEOの発言は空想めいているが、ミグ31の優れた性能から考えると、不可能ではない。
ミグ31の性能を見てみよう。
ミグ31は迎撃戦闘機、空中戦には向かない。ロシア領空を敵の攻撃から守ることが主目的。
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単座のミグ25に対して、ミグ31は複座。後席は兵器システムを担当、レーダーを操作する。
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ザスロン S-800 パッシブフェーズドアレイレーダーを搭載。同レーダーは、低高度で侵入する爆撃機を追跡するために開発された。元々の探知距離は約200キロだが、複数回のアップグレードが行われている。
2基の強力なターボファンエンジンにより、高度3万4000フィート(約1万メートル)まで8分以内に上昇可能。
アフターバーナーを点火して離陸するミグ31。
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出典 : GlobalSecurity.org
最新型のミグ31BMは、ザスロンMレーダー、射程距離約320キロの長距離空対空ミサイルR-33Sなどを搭載。
最新型のミグ31BM。
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出典 : GlobalSecurity.org
ミグ31は、約9分で6万5000フィート(約2万メートル)に達する。実用上昇限度は6万7500フィート(約2万600メートル)。
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ちなみに、成層圏は5万9000フィート(約1万8000メートル)から始まる。
出典 : GlobalSecurity.org
SR-71を追い払ったとする、複数のミグ31パイロットの証言がある。SR-71は、アメリカ空軍の伝説的な超音速・高高度戦略偵察機。
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SR-71にミサイルをロックオンできたと述べたパイロットがいる。また記録によれば、6機のミグ31が、それぞれSR-71を捉えたこともある。
Sources : The National Interest, The Aviationist
主力の武器は、R-33長距離空対空ミサイル。F-14のAIM-51 フェニックスに似たミサイルだ。ミグ31は、一度に4つのターゲットを狙うことができる。
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ミグ31は、R-33長距離空対空ミサイル4発、R-40TD-1中距離空対空ミサイル2発、R-60短距離空対空ミサイル4発を搭載可能。また23mmガトリング砲も装備。
ミグ31DZは、1989年に発表された派生型。ミグ31シリーズの中で、初めて空中給油に対応。
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ロシアはミグ31シリーズを252機保有すると見られている。2020年までに100機のミグ31BMあるいはミグ31BSMを製造する計画。
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後継機として「ミグ41」が計画されているが、ミグ31は少なくとも2030年までは飛び続ける。
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source:Russian Ministry of Defense
[原文:15 photos of the MiG-31, the Russian fighter jet that can chase away SR-71 Blackbirds]
(翻訳:増田隆幸)