メールで説得! フェイクニュースと戦う25歳CEOがマーク・キューバン氏から資金調達

FactmataのCEOとCTO

FactmataのCEOドゥルブ・グラティ氏と、CTOロバート・ストニッチ氏。

Factmata

  • イギリスのスタートアップ「Factmata」は、深刻さを増すフェイクニュースや偽情報の問題に、人工知能(AI)を活用して取り組んでいる。
  • 同社のシードラウンドには、ビリオネアのマーク・キューバン氏やゲーム会社Zyngaの創業者マーク・ピンカス(Mark Pincus)氏、 セキュリティソフト会社Brightmailの創業者スニル・ポール(Sunil Paul)氏らが参加した。
  • FactmataのCEOドゥルブ・グラティ(Dhruv Ghulati)氏は、ニュース記事の品質を評価したり、文脈を加えるサービスへの需要があると言う。

大半の投資家は、創業者が知り合いか、あるいは「推薦」でもない限り、スタートアップ企業の売り込みを考慮することさえしないだろう。だが、25歳のドゥルブ・グラティ氏は異例と言えよう。ビリオネアの投資家マーク・キューバン氏に、誰からの紹介もなしにメールを送り、フェイクニュース対策のスタートアップ「Factmata」を売り込み、投資を引き出したのだ。

今や同社のシードラウンドには、キューバン氏の他、ゲーム会社Zyngaの創業者マーク・ピンカス氏、 セキュリティソフト会社Brightmailの創業者スニル・ポール氏らが参加している。

「取締役会に名を連ねて欲しい人物をリストアップしてあった」と、グラティ氏はBusiness Insiderに語った。キューバン氏もそのうちの1人だと言う。「我々がリストに挙げていた投資家は全員、我々のビジネスにとって極めて戦略的かつ重要な要素を持っていた。投資家に『誰でも良いからランダムにメールしてきたのか? 』と思われないよう、我々がコンタクトした理由を明確に示した」

Factmataは、フェイクニュースや誤解を招くニュースの拡散を防ぐため、AIを使った対策を打ち出そうとしている。ウィキペディアとQ&Aサイト「Quora」の中間を取り、AIの力を借りて、ユーザーが事実確認(ファクトチェック)やニュース記事の評価を行うコミュニティー作りを目指す。同社はこれらのユーザーとして、一般利用者だけではなく、プロのジャーナリストも加わることを想定している。

2018年の立ち上げを見据え、同社が開発中の初めての製品は、オンライン・ニュースを収集するニュース・アグリゲーターだ。ニュースの質を格付けし、その文脈が分かる外部リンクを提供する。最終的にはこの基盤テクノロジーをPR会社やメディアなどに有料提供することになるだろう。

グラティ氏は、報道業界に広がった広告収入に頼るビジネスモデルが、扇情的な記事やデマ情報の増加につながったと考えている。こうしたビジネスモデルのオンライン・ニュースが増える一方で、記事が公開される前に厳しく内容をチェックする編集補佐がニュースルームで減っていると言う。

こうした状況が重なって、ニュースメディアに対する信頼性は薄れ、フェイクニュースが台頭したとグラティ氏は指摘する。

記事の品質チェックを機械学習に下請けさせることに対して、懐疑的なジャーナリストもいるだろう。だが、グラティ氏は、Factmataが開発しているサービスは支援ツールであって、ファクトチェックのプロセスに置き換わるものではないと述べている。「機械学習によって全てができるわけではない。ウィキペディア・モデルのような、広範なユーザーが参加するコミュニティーからのインプットにも期待している。それこそが我々の目指すものだ。情報に対する信頼度を高めたい」

Factmataのチームは強力だ。最高技術責任者(CTO)は、元ウィキペディアの開発者で、検索機能のプラットフォームを構築したロバート・ストニッチ(Robert Stojnic)氏。また共同創業者には、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ(UCL)の研究者セバスチャン・リーデル(Sebastian Riedel)氏と同大学の研究員アンドレアス・ブラコス(Andreas Vlachos)氏の2人の機械学習のスペシャリストが加わっている。

キューバン氏は声明文の中で、「このチームの布陣、技術的才能、問題解決に対する純粋な意欲に感心した」と述べている。

「フェイクニュースの問題を解決するには、AIと自動化を用いたウェブスケールで考えるしかない。メディアやファクトチェック業界の外側にいることで、問題を異なる角度から見ることができる。Factmataは、素晴らしい使命をもって難題の解決に挑む起業家集団だ」

フェイクニュースの問題に取り組んでいるのは、Factmataだけではない。Facebookはユーザーに偽情報を知らせる機能を追加する一方、ウィキペディアの創業者ジミー・ウェールズ(Jimmy Wales)氏は今年4月、「Wikitribune」という新たなニュースメディアを立ち上げた

グラティ氏は、Facebookが独自にフェイクニュースの問題を解決できるとは思えないと言う。

「我々のプラットフォームは情報の質にとことん集中している。だが、Facebookのモデルはそうしたことを考えるようにはデザインされていない。彼らのインセンティブは広告だ。一般ユーザーがフェイクニュース問題の解決を求めていることは明らかだ。それがプラットフォームに適切なレベルでできるかどうかは誰にも分からない。だが、我々は100%、これに集中している」

[原文:A 25-year-old CEO emailed Mark Cuban to pitch his anti-fake-news startup for investment — and it worked]

(翻訳:Tomoko A.)

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