日産の新型リーフ、テスラから購入層を奪える強みとは

日産リーフ

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新しい日産リーフの最大の特徴は、150マイル(約240キロ)という航続距離ではない。ドライバーを支援する技術だ。

日産は9月5日(現地時間)、新型リーフを発表した。比較的、ひっそりと。価格は2万9990ドル(約330万円)から、40kWHのバッテリーを搭載している。

この航続距離は、シボレー ボルト(238マイル)やテスラ Model 3(215マイル)には及ばない。だが、低価格を実現させており、それが鍵だ。

価格メリットは、Model 3の購入層を取り込むことを可能にするだろう。特に、初めてEV(電気自動車)を購入する人たちには大きなセールスポイントだ。リーフは今、世界で最も売れているEV。航続距離が伸びたことは、短距離の移動が多い層には決め手となるだろう。

Model 3が欲しいが、納車を待てなかったり、そこまでお金が出せない層にとって魅力的なのが、自動運転技術「プロパイロット」だ。これは基本的には進化したクルーズコントロール機能だ。高速道路での同一車線走行をキープしたり、渋滞中の走行を支援する。革新的な機能ではなく、テスラのオートパイロットほど野心的でもない。だが、便利な機能であることは間違いはない。

EVの競争が激化していく中、自動車メーカーは航続距離ではなく、テスラから、アップルのそれに近いブランドロイヤルティを感じている顧客層を奪わなければならない。その意味では、新型リーフはベビーテスラのような存在だ。ハイテクでパワフルな車ではないが、気の利いた、リーズナブルな選択肢になる。

日産は全車種で技術面での改良を進めている。例えば、車の後方のカメラ映像をルームミラーに映し出す「インテリジェント ルームミラー」を開発した。リーフにもグレードによるが搭載される。

日産は、手の届きやすい価格で機能的な車を提供している、信頼のおけるメーカーだ。テスラをはじめとする世界中のEVとの競争に、大きなリスクを冒すことなく勝利したいのであれば、こうした細かな機能開発は非常に効果的だろう。

※編集部注:新型リーフの航続距離は、日本では400キロ(JC08モード)と表記されています。本記事は、アメリカの表記に合わせました。

[原文:Nissan's newest car has one feature that could chip away Tesla's dominance

(翻訳:まいるす・ゑびす)

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