CIAの長官、マイク・ポンペオ氏。
Jacquelyn Martin/AP
アメリカCIA(中央情報局)のマイク・ポンペオ長官は、これまでも自国の核能力を他国と共有してきた北朝鮮が、イランなどの潜在的な買い手からのアプローチを受け、ミサイル計画の機密情報を売る可能性があると考えるのは「妥当だ」と発言した。
「北朝鮮には、自国の知識や技術、能力を世界で共有、拡散させてきた長い歴史がある」ポンぺオ長官は11日(現地時間)、Fox Newsのインタビューで述べた。
「北朝鮮が長距離ミサイルを発射し、これらのミサイルに核兵器を搭載する能力を開発し続ければ、それを他国と共有しない可能性は極めて低く、それに金を払おうとする国の中には、イランが必ず含まれるだろう」
その上で、アメリカは北朝鮮の核能力について、確かな情報を持っていると信じ込んでいるが、その兵器開発を急ぐ最終的な狙いは「非常に難しいインテリジェンス上の問題だ」とポンペオ氏は言う。
「金正恩(朝鮮労働党委員長)は自らの政治体制を守るためにこれらの兵器を欲しており、最終的には朝鮮半島の再統一を望んでいるというのが、我々の理解だ。だが、情報コミュニティーが学ぶべきことは、まだたくさんある」
ワシントン・ポストは今年8月、小型核弾頭のミサイル搭載を成功させたことで、北朝鮮は期せずしてミサイル開発計画における大きなハードルを突破したと報じた。
この報道以降、トランプ大統領と北朝鮮の好戦的な言葉の応酬はエスカレートし、北朝鮮がアメリカの領土であるグアムへの攻撃をちらつかせるに至った。
北朝鮮は9月3日、6度目にして過去最大級の核実験を実施し、隣国には混乱が広がった。これを受け、国連安全保障理事会は11日(現地時間)、北朝鮮に対する制裁強化を全会一致で採択。その内容は中国、ロシアに譲歩する形となったが、ロイターによると、原油の輸入制限や繊維輸出の禁止などが盛り込まれている。
「北朝鮮の脅威について私が何よりも懸念するのは、我々が彼らに持って欲しくないと願った能力を北朝鮮が持ち始めていることだ」ポンペオ氏は続けた。「(それは)我々がほとんど接触できない、極めて狭いサークルの中で物事を決める指導者の下で起きている」
[原文:CIA director suggests North Korea may be working another angle with its nuclear ambitions]
(翻訳:Tomoko.A)