デモで顔認証に失敗した?
Apple
アップルはiPhone X(Xは「テン」と呼ぶ)を発表。この最上位モデルで、アップルはスマートフォンの未来を提示した。
ホームボタンとTouchIDをなくし、新たに顔認証機能「Face ID」を搭載したのだ。
ユーザーがスマートフォンの画面に顔を向けると、iPhone Xはユーザーを認識し、ロックを解除する。
しかし、12日(現地時間)のイベントで、同社のバイス・プレジデント、クレイグ・フェデリギ(Craig Federighi)氏が行ったデモンストレーションでは、顔認証に失敗した。代わりに同氏はパスコードを入力してロックを解除した。
「もう一度、やってみよう」と同氏はステージ上で述べた。
だが映像を見直したユーザーの一部は、フェデリギ氏のミスではなく、ましてFaceIDのエラーでないことに気づいた。iPhone Xは、どうやらリスタートしてしまい、顔認証機能が動作する以前に、まずパスコードの入力を求めたようだ。
アップルによると、iPhone Xは、赤外線カメラを使ってユーザーの顔を捉え、AI(人工知能)でユーザーの顔を認識する。これはWindows Helloに似ている。マイクロソフトは2015年、顔認証機能をSurfaceに搭載した。
アップルは、FaceIDをテストするために、ハリウッドの特殊効果の専門家の協力を得たと述べた。フェデリギ氏はステージで、ちょっと気味の悪い、極めてリアルに再現された顔を見せた。そして、こうしたリアルな顔でも、FaceIDを破ることはできないと語った。
FaceIDのテストのために作られた顔のモデル。
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同氏は、極めて似た顔の人がFaceIDを破る可能性はあると述べた。だが、その確率は100万分の1とのことだ。
アップルはこれから、FaceIDがTouchIDと同様に安全で便利であると証明しなければならない。もしこの最初の取り組みで不具合などがあったら、アップルはFaceIDの普及に苦労することになる。
[原文:Apple's new facial-recognition iPhone-unlocking tool failed in its first public demo]
(翻訳:増田隆幸)