Apple Watch Series3。竜頭の頭が赤色なのがLTE版の目印だ。
Gizmodo Japan
9月12日午前10時(米・カリフォルニア州)から開催されたApple Eventで、ついに姿を現した記念モデルiPhoneX、iPhone8、LTE版Apple Watch Series3。それぞれ新機種のため料金プランが気になるところだ。ドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社のなかで、他社に先駆けて方針を明らかにしたのはauブランドを展開するKDDIだ。
KDDIは、新端末向けの割安な新料金プランと、従来よりも踏み込んだ端末補償などを実施する方針を固めた。関係者への取材でわかった。判明した現時点のサービスのイメージは以下のとおりだ。
LTE版Apple Watchは月額350円からを目指す
初のLTE搭載となるApple Watch Series3のセルラーモデル。価格は4万5800円(税別)からだ。
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初のLTE搭載Apple WatchとなるSeries3のセルラーモデル。本体価格は税別4万5800円から(GPSモデルは3万6800円から)。Apple Watchを使ってスマートフォンの電話番号での発着信ができる「ナンバーシェア」の利用料に注目が集まるが、KDDIは月額350円程度を目指すことがわかった。あわせて、契約初月から6カ月間は無料にする方針。LTE版のApple Watch Series3を、発売直後に買うようなアーリーアダプター層にauを選んでもらうという戦略が見て取れる。
iPhone X、iPhone8は「本体は半額負担」
iPhoneX。デザインの質感や新しいロック解除操作(Face IDとスワイプするだけ)が気になるところだ。
一方、iPhone向けの「新料金プラン」はいわば既定路線。月々の割引がないかわりに月額がより安くなることが人気の「ピタットプラン」「フラットプラン」を、iPhoneにも展開する方針を固めた。これは7月の夏モデル発表会で田中社長が言及していた通りだが、iPhone向けのピタットプランも月額1980円〜(ビッグニュースキャンペーン適用時/2年目からは月額2980円)など、Androidでの同名の料金プランと基本的に同一路線だという。
強力なのは新たに用意するという新iPhone X、iPhone8向けの新アップグレードプログラムだ。関係者によると、24回割賦払いのうち12回払うと「機種変時の残債負担ゼロ」にする方向で検討を進めている。つまり、KDDIで機種変を続ける限りは、毎年買い換えても残債が残らず、半額で使えるようなイメージだ。また、年内限定でプログラム利用料(月額390円)も無料にする。実質的にau版の新iPhoneを買うほぼ全員が加入することになるだろう。
これらを、毎年iPhoneを買い換えるような熱心なファンの「格安SIM(MVNO)への流出防止施策」の目玉として展開すると見られる。
新iPhone X、Apple Watch Series3をキャリア首脳陣はどう見る?
3キャリア首脳陣は今回の発表をどうとらえているのか? 事前に10万円を超える値段ではないか? と噂されたiPhone Xは、64GBが999ドル。単純に円換算すると約11万円という価格になる。
囲み取材に答える田中社長。例年、囲み取材で披露するネタを仕込んできているが、今年の扇子は「iPhone10周年」。
KDDI田中社長は「やっぱりXにはびっくりした。思ったよりは(高価ではなかった)だけど、"とんでもない"という価格でもない。でも売れると思う」。Apple Watchについては「親回線(iPhone)が当社の端末なら、安価に使えるようにやっていきたい。キャンペーンも入れて、買いやすい仕組みは作っていきたい」
ソフトバンクの宮内謙社長。
ソフトバンクの宮内謙社長は、発表会の感想を「発表会は、よかった。日本人はハイエンド製品が好き。iPhone Xは日本でも受けると思う。Apple Watchについても、料金プランはいろいろと考えている」と前向きな姿勢をみせる。
NTTドコモの吉澤和弘社長からコメントはとれなかったが、笑顔をにじませながら颯爽と会場を後にした。
なお、ソフトバンクは近く発表会を開催する見込みで、KDDIも、iPhone8の予約が開始される9月15日までには、料金プラン含め詳細を明らかにしていくという。
NTTドコモの吉澤和弘社長。会場からは一番乗りで出てきた。足早に去り際に声をかけると、笑顔で立ち去った。
端末の性能もさることながら、各社が料金プランや補償でどんな差別化を打ち出してくるのか、今週末から来週にかけては注視しておいたほうが良さそうだ。