「iPhone X」は品薄でも売れる、問題はiPhone8だ —— 「半額」の国・日本の特殊事情

iPhoneXの発表

多くの事前リークがあったなかで、最後までわからなかったものの1つが価格。64GBモデルで999ドルと発表。日本版の価格は11万2800円からだ。

ついにiPhone 8、iPhone Xが正式発表になった。

事前の噂通りであり、「答え合わせ」のような内容であったが、それでも、iPhone Xは実際に触ってみると、アップルが「スマートフォンの未来」と語るように、今後のスマホのトレンドになるような要素がいくつも盛り込まれており、ワクワクさせられた。

ただ、ちょっと気になるのが「そもそも、今回発表されたiPhoneの新製品は売れるのか」という疑問だ。

iPhone Xは当初、在庫薄になる可能性

iPhone8の発表

iPhone8のデザインは前モデルをほぼ踏襲している。

正直いって、まずiPhone 8に関しては、厳しい船出になるような気がしてならない。今回、見た目の印象は、どちらかというと「iPhone 7s」「iPhone 7s Plus」といったほうがしっくりくるように思える。本体背面は金属からガラスとなり非接触充電にも対応したが、 デザインテイストはiPhone 7、iPhone 7 Plusと変わらない。

某キャリア幹部も「iPhone8を触った時、iPhone7かと思ったよ」と本音を漏らすぐらい、前モデルを踏襲している。iPhoneユーザーからすると、ちょっと物足りないのではないか。

iPhoneXの写真

iPhoneXはホームボタンがなくなるなど、デザインを一新。

一方、iPhone Xはホームボタンがなくなるなど、これまでのiPhoneのデザインテイストを一新しており、最近のiPhoneに飽きて来たユーザーに最適な一台と言える。

そんなiPhone Xの予約開始日は少し遅く、10月27日。店頭発売は11月3日だ。

一方のiPhone8は予約開始が9月15日、店頭発売は9月22日と、いずれも1カ月以上早い。

実機も見られない中で、1カ月後に動き出すiPhone Xが気になる人が多い中、やはり9月22日のiPhone8発売は、「静観」する人が少なくないのではないか。

ただ、iPhone Xも「生産台数がかなり少ないようで、しばらくの間、在庫薄が続くのではないか」(関係者)と言われており、争奪戦になることは間違いない。最初の予約開始時に失敗すると、しばらく手に入らないこともありえる。

となると「iPhone8はスルーするが、買いたいiPhone Xはいつまで経っても買えない」ことになりそうだ。

形を変えたキャッシュバックか? 日本独特の「半額割引」

iPhone04

発表会に登場したアップルのCEOティム・クック氏。

今回、発表前には「iPhone Xは10万円を超えるのではないか」という噂が絶えなかった。実際にフタを開けてみれば、64GBモデルで11万2800円、256GBモデルで12万9800円(いずれも税別)という価格設定だ。

ちなみに、昨年発売されたiPhone 7 Plusの256GBモデルは10万7800円だったことを考えると、確かに高いと言わざるを得ない。

ただ、これも一括で購入する時の話であり、キャリアで購入すれば何かしらの割引やキャンペーンが適用されるだけに、契約しているキャリアの割引施策などを研究したほうがいいだろう。

実際、今回のiPhone発売に合わせ、ソフトバンクはプレスリリースを出し、「最新のiPhoneが最大半額になる半額サポートfor iPhone」を9月22日から提供すると発表した。 iPhone Xの分割払い時の価格設定や「月月割」などが不明なため、具体的な支払いイメージが掴みにくいが、いずれにしても、48回払いの割賦を、24回支払えば残債を支払う必要はなく、新しい機種に乗り換えられるという仕組みだ。

また、KDDIはすでに同様のプランをAndroid向けに提供しているが、今回のiPhone発売に合わせて、iPhoneでも適用するようだ。しかも、KDDIの場合、24回払いのうち、12回支払えば、残りの残債を負担しなくていいプランとなっており、「最新のiPhoneを毎年、買い換えたい」という仕組みになるという(ソフトバンク、KDDIとも、残債の負担をなくすには、端末が回収されてしまうというデメリットがある点は注意が必要だ)。 しかし、他キャリアに流出するつもりがなく、iPhoneを常に使い続けたいという人に向けては最適な買い方と言えるだろう。

iPhone05

発表会は故スティーブ・ジョブズ氏のモノローグから始まった。

これまでiPhoneは日本市場においては、キャリアによるキャッシュバックや実質0円などの販売促進のおかげで売れ、シェアを伸ばして来たという経緯がある。総務省の意向もあって、そうした販促は影を潜めつつあるが、ソフトバンクやKDDIの動きを見ると「キャッシュバック」が「残債負担ゼロ」に姿を変えつつあるといえる。

iPhoneにはAndroidスマホにはない優遇策が適用される。大手キャリアとしては、3社で競っていることもあり、iPhoneを何としても売らなくてはならないから当然だ。

と考えると、iPhone Xも、見た目の値段が10万円を超えていたとしても、キャリアの頑張りによって、なんだかんだでユーザーの負担が軽減される施策が相次いで登場するだけに、それなりに大ヒットするスマホになるのではないだろうか。


石川温:スマホジャーナリスト。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。ラジオNIKKEIで毎週木曜22時からの番組「スマホNo.1メディア」に出演。

ソーシャルメディアでも最新のビジネス情報をいち早く配信中

Sponsored

From the Web

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい