アップル、スマートウォッチ普及に向けて最大の障害をクリア

Apple Watch Series 3

Apple Watch Series 3。新製品発表会にて。

Gizmodo Japan

Apple Watchにスタンドアロンの通信機能が必要だと回答した人の割合

Apple Watchにスタンドアロンの通信機能が必要だと回答した人の割合

BI Intelligence

アップルの新しい「Apple Watch Series 3」は、初めて携帯電話通信機能を内蔵した。9月12日(現地時間)、新製品発表会でCEOティム・クック氏が述べた

つまり、ユーザーはiPhoneがなくても、通話やメッセージのやりとり、ストリーミング配信で音楽を聴くなど、データ通信を必要とするタスクを実行できる。

LTE通信機能は、Apple Watchの普及を妨げている最大の障害を取り除くだろう。エリクソン(Ericsson)の調査では、回答者の20%強が「機能や用途が限られている」ことをウェアラブルデバイスを使わない第一の理由にあげている。スマートフォンへの依存がなくなれば、スマートウォッチの能力は向上するだろう。そして需要が高まるはずだ。

消費者や開発者は、新しいApple Watchに高い価値を見出すだろう。

  • LTE対応のApple Watchは、iPhoneなしで使える場面が増える。従来モデルの欠点は、iPhoneが不可欠だったこと。ユーザーは常にiPhoneを持ち歩く必要があった。2つのデバイスを分離することで、実際、Apple Watchの魅力は増す。コンサルティング会社Fluentによると、Apple Watchユーザーの約38%が、次のApple Watchには単体での通信機能が極めて重要と答えている。
  • 開発者は、Apple Watch用アプリの開発に、より積極的になる。分析によると、Apple Watch用アプリに取り組む開発者が少ない理由は、デバイスの制約のせいで、大きな収益を期待できないため。だがLTE通信機能が広くユーザーに受け入れられれば、開発者はApple Watch用アプリの開発に乗り出すだろう。

アップルもまた、他のベンダーがスマートウォッチにLTE通信機能を搭載する過程で直面した、いくつかの課題に取り組んだ。SIMを搭載することによる負荷は、動作の遅延やサイズアップ、バッテリーの持ちが悪くなるなどの問題を引き起こす。

だが、最大18時間駆動するバッテリーを搭載したApple Watch Series 3は、新しいデュアルコアCPUを採用、Series 2に比べてパフォーマンスは70%向上した。さらに新しいW2チップにより、BluetoothとWi-Fiは85%高速化、電力効率は50%向上した。

またSeries 3は、より小型のeSIMを採用、ディスプレイ自体がアンテナとして機能する。こうした新たな機能は、ユーザーの使用体験を強め、LTE通信機能を搭載したスマートウォッチが主流となる可能性がある。

今後数年間、スマートウォッチには新機能が加わり、その能力は拡大するだろう。出荷台数は2021年まで年平均18%で成長し、7000万台に達すると見られている。

しかし、スマートウォッチが何にせよ大きな需要を生み出すには、数多くの要因が関わってくる。当面、普及はゆっくりと進むだろう。

[原文:Apple just solved its biggest barrier to smartwatch adoption

(翻訳:原口 昇平)

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