日本の100歳以上は6万7824人、経済は限界に —— アメリカから見た日本

体操する高齢者

日本の100歳以上の人口は、6万7824人。

REUTERS/Toru Hanai

9月15日、厚生労働省は日本の100歳以上の人口が、過去最高となったと発表した。その数は、6万7824人。

「センテナリアン(centenarian)」と、人口統計学者が呼ぶ100歳以上の高齢者は、医学の世界では驚異の対象。しかし日本では、経済に重くのしかかる存在となっている。

65歳以上の人口の割合は、過去最高となっている。一方、出生率の低下も相まって、高齢化に伴うコスト負担を背負うことになる若年層は減少している。

ここ数年間、日本のGDP(国内総生産)は、数兆ドル減少しており(※ドル換算)、人口も約100万人減少している。日本の人口動態がこのまま推移した場合、経済は深刻な低迷状態となり、社会構造も崩壊してしまうと専門家は見ている。

「これは家族制度の終えんだ」と、ハーバード大学の社会学者メアリー・ブリントン(Mary Brinton)氏は、Business Insiderに語った

日本の100歳以上の人口は1971年から毎年、増えている。1971年当時は、わずか339人だった。

昨年、政府が発表したデータによると100歳以上の人口は6万5000人を超えていた。日本の100歳以上の人口は、47年連続で増加している。

アメリカが100歳以上の人口では、依然として世界No.1だ。だが、これはそもそも人口が多いため。アメリカの人口は日本の約3倍であるにもかかわらず、100歳以上が人口に占める割合は日本の半分以下。絶対数で見た場合も、日本は数千人少ないだけだ。人口動態を見れば、日本が間もなくトップとなることは明らかだろう。

世界中で高齢化が進んでいる。ピュー・リサーチ・センター(Pew Reasearch Center)は、2015年には45万人だった100歳以上の人口は、2050年には8倍となり、360万人にのぼると予測している。

日本は高齢者を敬う。1963年から、9月15日は「敬老の日」とされている(※2003年から、9月の第3月曜日に変更)。100歳を迎える高齢者には、総理から長寿を記念して、銀杯が贈られる。

2015年まで、この銀杯は純銀製だった。だが2014年、約2万9000人に対し、約2億3000万円を費やして銀杯を贈った後、政府は純銀製から銀メッキ製など安価な素材に変更した。

[原文:Japan has a record 68,000 people over 100 years old — and the economy can't keep up

(翻訳:Yuta Machida)

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