アメリカの大学の学費は、世界で最も高額な部類に入る。経済協力開発機構(OECD)が9月12日(現地時間)に公表したレポートで明らかになった。
OECDの加盟国35カ国の平均的な学費を比べたところ、アメリカは私立、公立共に最も高額だった。
公立大学の年間授業料(平均)は、アメリカで8202ドル(約91万円)、2番目に高いチリで7654ドル(約85万円)となっている。日本は5229ドル(約58万円)で、3番目に高い。
Mike Nudelman/Business Insider
レポートによると、OECD加盟国のおよそ3分の1で公立の授業料が無料で、10カ国で4000ドル(約45万円)以下となっている。
私立大学の場合、アメリカとアメリカ以外の国の差はより大きくなる。アメリカの2万1189ドル(約236万円)は日本の8428ドル(約94万円)の約2.5倍で、他の加盟国に比べ、圧倒的に高額だ。ただし、日本の学費もアメリカ、オーストラリアに次いで高い。
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Business Insiderのチャートは私立と公立と両方が存在する国のみを比較対象としている。そのため、例えば大学は私立しか存在しないイギリスはチャートに含めていないが、OECDによると、その平均的な学費は年間1万2000ドル(約134万円)だ。
OECD加盟国の大半は、収入レベルの高い先進国だ。しかし、OECDに加盟しているのは民主主義的な理念の促進という目的を共有する国に限られるため、中国やシンガポールなどは属していない。だがこうした先進国でも、大学の授業料はアメリカほど高くはない。
そして、アメリカの学費が他国に比べ高額なことは事実だが、教育を受けるための支援制度も存在する。OECDによると、アメリカの学生の少なくとも75%が公的なローン、奨学金、助成金の恩恵を受けている。
[原文:It costs more to go to college in America than anywhere else in the world]
(翻訳:まいるす・ゑびす)