1時間単位から1分単位へ、アマゾンがクラウドサービスの課金を見直し

アンディ・ジャシー氏

AWSのCEOアンディ・ジャシー(Andy Jassy)氏。

Amazon

アマゾンが2006年に「アマゾンウェブサービス(AWS)」の提供を開始したことで、クラウド・コンピューティングに革命が起こった。

これにより、プログラマーは自分でサーバーを購入、設置、運用する必要がなくなり、ソフトウエア開発者たちは、本当に必要な分だけ、1時間単位でスーパーコンピューターを使用できるようになった。アマゾンがソフトウエア開発の常識を覆したことで、DropboxやAirbnbといった新興企業の出現を促した。

そして今、アマゾンは再度、その常識を根本から変えようとしている。同社は18日(現地時間)、AWSの中核を成す仮想サーバー「Amazon EC2」の課金を秒単位にすると、ブログで明かした。小さな変化だが、予想される影響は大きい。

今回の変更についてアマゾンは、近年のアプリ開発の実態に合わせることが目的だとしている。こうした試みの一例として、同社は2014年にLambdaと呼ばれるツールの提供を始め、「サーバーレス」コンピューティングという新たなトレンドの先駆けとなった。

端的に言えば、Lambdaはプログラマーに、これまでよりもさらに柔軟な開発環境を提供した。例えばLambdaを使った翻訳アプリなら、実際にユーザーが文字を入力、OKボタンを押した時にのみサーバーが存在し、翻訳が終わるとサーバーは再び消え、翻訳の結果だけが携帯画面に残る。

Lambdaを利用することで、ユーザーは物理的なサーバーを設置する必要がなくなり、コスト削減が可能になった。これまでLambdaは1000分の1秒単位で課金されていたが、AWSの他のサービスは1時間単位だったため、サービス間で齟齬が生じていた。

ジェフ・ベゾス氏

アマゾンのCEOジェフ・ベゾス氏。

Steve Jurvetson / Wikimedia Commons

Lambdaやその他のプログラミング・テクノロジーの進化によって、AWSの使われ方も大きく変化していくだろう。

「我々の顧客は、時に数分というより短い時間のインスタンスを、従来よりも高い頻度で利用可能なEC2で、アプリケーションを開発したいと望んでいる」と同社のジェフ・バー(Jeff Barr)氏はブログに綴っている。

アマゾンは今後、いくつかの規約を設けた上で、この秒単位での課金モデルを実現させるという。最低1分間、適用するのはLinux上で稼働する仮想サーバーのみだと言う(つまりマイクロソフトのWindows上のサーバーは、現時点では料金体系に変更はない)。

アマゾンのAWSは、業界2位と3位であるマイクロソフトのAzureやGoogle Cloudを未だ大きく引き離している。他の巨大テック企業がこのトレンドに追従するのか、するとすればそれはいつからなのか、注目だ。

[原文:Amazon just made a huge change to its $12 billion cloud computing juggernaut

(翻訳:忍足 亜輝)

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