プロテラは現在、航続距離が350マイルの「Catalyst E2」を販売している。
Proterra
シリコンバレーを拠点とするプロテラ(Proterra)は、EVバスの新記録を達成した。
同社は、インディアナ州ニュー・カーライルのテストコースにおいて、同社のEVバス「Catalyst E2」の長距離モデルが、1回の充電で1101.2マイル(約1770キロ)を走行したと発表した。
今回の新記録は、大型の商用EVバスにおけるバッテリー技術が、ディーゼルバスと十分に競合できるレベルに達したことを示した。
「優れた燃料効率を誇ることから、我々は大型の商用EVバスは、他のいかなるバッテリー技術の実用事例よりも優れたビジネスケースだと信じている。そして、こうした交通マーケットが、EVに完全に移行する最初のマーケットになるなるだろう」とプロテラのCEOライアン・ポップル(Ryan Popple)氏は述べた。
同社は現在、航続距離が350マイル(約560キロ)の「Catalyst E2」を70万ドル(約7800万円)で販売している。6月時点で、全米15州で400台を販売した。
長距離モデルは、今後、販売する予定と同氏はフォーブスに語った。
プロテラの設立は2004年。LG化学(LG Chem)と共同で大型商用車向けのバッテリーを開発してきた。同社は最近、Catalyst E2のバッテリーの生産を強化するためにカリフォルニア州に新工場を建設した。
しかしCatalyst E2は、価格が約50万ドル(約5600万円)の従来のディーゼルバスより高価だとフォーチュンは伝えている。
プロテラは新たなローンを設定し、交通機関がCatalyst E2をディーゼルバスとほぼ同じ価格で購入できるようにすると発表した。ユタ州のPark City Transitは6台のCatalyst E2を購入する予定。しかし、価格は同社の最大の課題となるだろう。
大型商用EVにおいてプロテラは、数社と競合している。テスラは10月、EVセミトレーラーを発表する予定だ。
プロテラはサウスカロライナ州グリーンビルとロサンゼルスの2工場でEVバスを製造している。同社は1億9500万ドル(約220億円)を調達済みで、2018年のIPOを目指している。
[原文:The 'Tesla of buses' just set a range record that could spell the end for diesel buses]
(翻訳:一柳優心)