ナローバンドIoT、アジア太平洋地域で急速に拡大

LPWANの普及予想図

LPWANの普及予想図

BI Intelligence

IoTとmachine-to-machine(M2M)ソリューションに特化した問題解決サービスを提供するネットワーキング・ハードウエア・プロバイダQuectel Wireless Solutionが、世界最小のナローバンドIoT(NB-IoT)用モジュールについて詳細を明かした

QuectelのBC68は、ファーウェイのV150モバイルチップセットを使用して開発されており、アムステルダムで来週行われるカンファレンスで公開される予定だ。

NB-IoTは、広範な地域をカバーでき、極めて少量のデータを、ごく低出力でやり取りする、企業のIoTデバイス向けlow-power wide area networking(LPWAN)の国際基準の一つ。

NB-IoTに接続するデバイス用のモジュールは、小型化ニーズが高い。石油掘削装置の圧力を測定するデバイスや、コンテナ船の位置情報を測定するセンサーを内蔵したデバイスなど、デバイス自体が小型であることが多いためだ。

こういったデバイスの場合、LTE Cat-M1など他のLPWANに比べて、データ転送速度が低いNB-IoTが、より適合するとされる。センサーやスマートメーター、そして他の小型IoTデバイスは通常、数時間おきに極めて少量のデータを収集、転送する。NB-IoTは、必要な量のデータを、バッテリーの過放電を抑え、より安価にやり取りできるのが強みだ。

BC68モジュールは、NB-IoTが急速に拡大するアジア太平洋地域を筆頭に市場の関心を集めると予想される。アメリカの2大携帯キャリアVerizonとAT&TがLTE CAT-M1の展開を進めるなか、世界のネットワークオペレーター企業は、現在までのところ、NB-IoTを支持している。

NB-IoTは現在、スペイン、シンガポール、中国、そして韓国で試験運用が行われている。これらの試験が完了し、商業向けにネットワークが配備されれば、NB-IoTと互換性のあるモジュールの需要は、急速に高まると予測され、Quectelはアジア太平洋地域での躍進が見込まれる。

Business Insiderのプレミアム調査サービスBI Intelligenceによると、2020年までに240億のIoTデバイスが世界中で導入され、その大部分が低出力小型機となる見通しだ。

そのため、これらの低出力IoTデバイスとの接続に適した、LPWANのようなネットワークの開発が活発化している。これらのネットワークは、ロングレンジでのやり取りが可能なため、広範な地域にわたるデバイスを結べる上に、省エネで、他のセルラー・ネットワークに比べて利用料は安価になる。これらのメリットが生みだす可能性を受け、IoTプロバイダーやユーザーの間で、LPWANへの関心は高まり続けている。

[原文:New Narrowband-IoT module may be a hit in international markets

(翻訳:忍足 亜輝)

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