1990年のプレイボーイ誌に凝縮された、トランプ大統領の世界観とは

ドナルド・トランプ氏

1999年12月6日、カリフォルニア州ビバリーヒルズのホテルで会見を開いたドナルド・トランプ氏。アメリカの第三政党「改革党」の潜在的な大統領候補であったトランプ氏は、党の指導部と面会し、政界の様子をうかがった。

Chris Pizzello/AP

今年2月に行われたトランプ大統領と安倍首相による日米首脳会談を前に、日本政府の担当者は他の資料と合わせて、トランプ大統領が1990年に受けたプレイボーイ誌のインタビュー記事を読んでいたと、ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた

首脳会談の準備として、四半世紀前のプレイボーイ誌の記事を読むというのは型破りに思えるかもしれないが、そのインタビューでトランプ氏が論じた外交政策や経済は、同氏が大統領選で掲げたものと似ていた。

トランプ氏は当時、プレイボーイ誌に対し「この国がダメになり続けない限り」、「100%の確信を持って」大統領になりたいとは思わないと語った。だが、同氏は自身が大統領ならどのようなことを実行するか、他国やそのリーダーたちをどう見ているかといった、さまざまな質問に答えている。

Business Insiderでは、1990年当時の様々なトピックに対するトランプ氏のコメントを3つ選び、2016年から2017年にかけての同氏の発言や行動と比較してみた。

大統領になったら、最初にやること

1990年当時、トランプ氏がプレイボーイ誌に語った内容:

「やりたいことはたくさんある。最終的には、タフな態度が勝つだろう。アメリカに持ち込まれるメルセデス・ベンツや日本製品に1つ残らず税金をかければ、素晴らしい同盟関係になるだろう」

2016年から2017年にかけ、トランプ氏が実際に行ったこと:

トランプ大統領は、自由貿易を主要トピックの1つとして選挙キャンペーンを展開、中でも中国とメキシコ、そして日本にフォーカスした。貿易協定の撤廃を主張し、一時は中国からの輸入品に45%の関税を課すと提案したこともあった。

大統領就任直後、トランプ氏は大統領令に署名し、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの離脱を表明、北米自由貿易協定(NAFTA)についても、「不公平極まりない」として、その内容を再交渉する考えを強調した。

ヘリの前に立つトランプ氏

所有する3台のヘリコプターのうちの1台の前に立つトランプ氏(ニューヨークのヘリポートにて、1988年3月撮影)。

Wilbur Funches/AP

アメリカについて

1990年当時、トランプ氏がプレイボーイ誌に語った内容:

「ジョージ・H・W・ブッシュ大統領がとても好きだ。今もこれからも支持し続ける。だが、アメリカをより優しく、寛大にしようとする姿勢には同意できない。この国が今よりも優しく、寛大になれば、文字通り消滅するだろう。(著名投資家の)カール・アイカーン( Carl Icahns)や(実業家の)ロス・ペロー(Ross Perots)といったビジネス界の人材が外交政策の交渉を行えば、国際社会から尊敬されるだろう」

「(自身が大統領であれば)極限まで軍事力を高めることを信念とするだろう。誰も信用しない。ロシアも、同盟国も。巨大な軍事施設を作り、それを完璧に仕上げ、理解するだろう。問題の一部は、世界で最も裕福な国々まで守ろうとしていることだ。日本を守ることで、我々は世界中から笑われている」

2016年から2017年にかけ、トランプ氏が実際に行ったこと:

1990年代以降も、トランプ氏はアメリカが「笑いもの」になっていると繰り返し発言してきた2016年11月には「我が国は笑いものにされている。世界中で笑われている」と発言。その数カ月前には、ヒラリー・クリントン氏にロシアのプーチン大統領と交渉する能力はないと言った。「ヒラリーはロシア相手に強硬姿勢を取るだろう。プーチンはそれを見て笑うだろう。分かるだろう? 彼は笑うんだ。プーチンは、ヒラリー・クリントンを見て、笑顔を浮かべるんだ」

さらに選挙戦を通じて、同氏は北大西洋条約機構(NATO)に言及、「巨額のコストをかけて、我々はヨーロッパを防衛している。だが、我々が大金を費やしていることはアメリカにとって、経済的に不公平だ。アメリカよりもヨーロッパを助けているにもかかわらず、我々は不釣り合いな負担を強いられている」と述べた。

事実、トランプ氏は自身の政権に複数のビジネスマンを登用している。国務長官にはエクソンモービルの前会長兼CEOのレックス・ティラーソン(Rex Tillerson)氏が、商務長官には著名投資家のウィルバー・ロス(Wilbur Ross)氏が、財務長官には金融街の元銀行員スティーブン・ムニューチン(Steve Mnuchin)氏が指名された。

サインをするトランプ氏

ニューヨークの書店で自著『Surviving at the Top』にサインをするトランプ氏(1990年8月20日撮影)。

Marty Lederhandler/AP

リーダーシップについて

1990年当時、プレイボーイ誌のインタビューでトランプ氏が旧ソ連の指導者ミハイル・ゴルバチョフ氏と天安門事件について語ったこと:

「ロシアは制御不能で、指導部もそれをわかっている。これが私のゴルバチョフに対する不満だ。もっとしっかりやらなくてはならない。(中略)だが、ゴルバチョフは最高の指導者として評価され始めている。我々は彼を称賛し続けなくてはならない。なぜなら彼はソ連を崩壊へと導いているからだ」

「天安門広場に学生が集まった時、中国政府は失敗しかけた。しかし、彼らは残忍で恐ろしかったが、力を持って制したのだ。これが強さだ。我が国は今、他国からつばを吐きかけられるような弱者として見られている」

2016年にプーチン大統領についてトランプ氏が言ったこと:

選挙期間中から大統領就任後も、トランプ氏はプーチン大統領について度々発言し、リーダーの「強さ」について、自身の変わらない考えを強調している。

2016年9月には、NBCのインタビューでプーチン大統領のリーダーシップについてコメントしている。「彼は本物のリーダーだ。『おお、なんてひどいことだ』と言うことはできる。だが、彼は自国を強力にコントロールしている。これは全く異なるシステムの話で、私はそのシステムを好まないが、そのシステムの中では、彼はリーダーとしてオバマ大統領を大きく上回っている。

[原文:Trump's 1990 Playboy interview perfectly lays out his view of the world]

(翻訳:まいるす・ゑびす)

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