急成長のメルカリ社長、子会社社長がダブルで育休取得へ

フリマアプリのベンチャー、メルカリの小泉文明社長(37)と子会社ソウゾウの松本龍祐社長(36)が、いずれも約2カ月間の育児休暇を取得することが分かった。

メルカリは2014年のアメリカ進出を皮切りにグローバル事業拡大を目指し、ユーザー数は日米合算7500万ダウンロードと急成長をみせている。時価総額は1000億円超とみられ、一部メディアで年内上場の見込みも報じられるなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

そもそも経営トップが育休を取得すること自体が日本では珍しいが、それが今もっとも成長している企業で、となればなおさらだ。

小泉社長

メルカリの小泉文明社長

提供:メルカリ

メルカリの小泉社長は第2子を迎えるに当たって10月半ばから育休に入る予定。Business Insider Japanの取材に対し、「1人目で(妻の)大変さを目の当たりにし、長女も2歳になったばかりで、微力ながら協力したいと考えた」と語る。

ソウゾウの松本社長は第1子誕生に合わせて取得。「妻も仕事をしており、万全の体制で復帰してもらいたかったので、できる限りサポートしたいと考えた。新生児の期間は短いので、自分自身できるだけ一緒にいる時間を取りたかった」との思いを明かした。

トップの取得「社員は歓迎」

経営者どころか、日本男性の育休取得率は3.16%(2016年度、厚生労働省調べ)にとどまる。急成長中の企業で率先して、経営トップが育休を取る動きは、日本の男性の働き方に一石を投じそうだ。

それぞれ2カ月間を取得する予定だが、その間の業務について小泉社長は、「執行役員やマネジャーに権限委譲しつつ、場合によってはオンラインで業務に支障がないようにしていきたい。権限委譲の良い機会だと前向きにとらえている」と話す。

松本社長は「良い機会だと思い、思い切ってソウゾウの執行役員、マネジャーに権限委譲を行った。週1出社日を設けているので、必須のミーティングはそこで集中的に行う予定です」という。

matsumoto

メルカリ子会社ソウゾウの松本龍祐社長

提供:メルカリ

社員からの反応について小泉社長は「トップが率先して取得することはとても歓迎されていると思う。そして社員にはより責任感を持って意思決定してもらいたい」という。

個人間のスキルなどを取引できる「メルカリ アッテ」などを提供するソウゾウでは、これまでもほとんどの男性社員が育休を取得してきたといい、社長の育休取得も「当たり前の雰囲気でした」(松本社長)。そして、松本社長は「自分が復帰した後、やる仕事がなくなっているのが理想なので、Go Boldに(果敢に)業務を進めていってほしい」と話した。

気になるのは、年内とも噂される上場に向けた作業への影響だが、この件に関して広報担当者は「お答えできることはありません」と話す。メルカリ社内の男性育休取得者は約500人中、のべ26人。9月末時点で対象者の9割が取得している状況だ。

少子化対策にも影響深刻

男性の育児参加を促し、女性に偏りがちな育児や家事負担を分担しようと、国は男性の育児休業取得率を2020年までに13%への引き上げる目標を掲げる。しかし、男性育休の実態は3.16%(2016年度)が過去最高と、遅々として進まない。しかも、取得期間は数日程度という“名ばかり育休”もよくある話で、大半が1カ月未満というのが現状だ。

こうした男性の育休取得率の低さは、少子化にあえぐ日本では深刻だ。

厚労省の調査では、夫の家事・育児時間が長いほど、第2子以降をもうけやすいというデータがある。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの「平成27年度仕事と家庭の両立支援に関する実態把握のための調査」によると、男性が育休を取得しなかった理由は「職場が育休を取得しづらい雰囲気だったから」が最多。職場の“空気”を左右する経営者の積極的な取得は、大きな効果が期待される。

これまでに、国内男性のトップが育休を取得した事例では、サイボウズの青野慶久社長が3度の育休を取得したほか、自治体のトップとして初めて取得した文京区長の成澤廣修氏、2度取得した三重県知事の鈴木英敬氏らがいる。

海外では Facebookのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が8月に、第2子となる女の子の誕生後、2カ月の育休を分割して取得することをFacobookに投稿。イギリス王室のウィリアム王子も第1子、第2子共に育休を取得したことなどが報じられている。

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