ラスベガスの銃乱射事件は、なぜ「テロ」と呼ばれないのか

警戒する警察

現場の警戒にあたる警察官。

REUTERS/Las Vegas Sun/Steve Marcus

アメリカのラスベガスで1日に発生した銃乱射事件は、少なくとも59人の死亡者と500人以上の負傷者を出した。

近代アメリカ史上最悪の乱射事件となったが、当局はこの事件を「テロ」とは呼んでいない。

「事件当時の容疑者の信念がわかっていない」ラスベガス警察のジョセフ・ロンバルド(Joseph Lombardo)保安官は2日(現地時間)、ネバダ州在住の64歳の容疑者についてこう述べた。

「現時点で、この事件はローン・ウルフ型の単独犯によるもので、我々は現場をコントロールしている」

連邦法はテロリズムを「政治的又は社会的目的を促進するべく、 政府、 市民又は階層を威嚇又は強制するため、 人や財産に対し不法に軍事力及び暴力を使用すること」と定義付けている。つまり今回の事件は、前例のないほど多くの死傷者数を出したが、連邦法におけるテロリズムの要件を満たしてはいないのだ。

言い換えれば、犯行の動機がわからない限り、当局は何らかの事件を公式にテロリズムと呼ぶことはできない。

「私たちは嫌悪感を抱くような事件をテロリズムと呼ぶ傾向にある」とジョージタウン大学の安全保障研究のディレクターでテロリズムの専門家であるブルース・ホフマン(Bruce Hoffman)氏はBusiness Insiderに対して語った。

「しかし実際は、その事件が人々の恐怖(terror)や恐れ、不安を生み出したとしても、テロリズムかどうかを決めるにあたって重要なのは、政治的な動機だ」

FBIの特別捜査官アーロン・ラウズ(Aaron Rouse)氏は2日に開いた会見で、今回の容疑者と国際テロリストグループの間には「何のつながりも見つかっていない」と話している。

だが、テロリズムの定義をめぐっては、連邦法とネバダ州の州法は異なる。同州ではテロをより広義に捉えていて、「一般市民の死亡や重傷を目的とした破壊、強制、暴力の使用もしくは未遂に関する全ての行為」と定義している。

ある事件を早い段階でテロリズムと認識することは「法的にも運用的にも大きな影響を招く」可能性があるとホフマン氏は言う。しかし、捜査を進める中で、容疑者の経歴や政治的イデオロギーに関する詳細が明らかになるにしたがって、その認識を変えることもできると同氏は指摘する。

[原文:Why the Las Vegas shooting isn't being called terrorism

(翻訳:編集部)

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