ビットコインの成長は「大量のマネーロンダリングが行われていることを示している」とフィンク氏。
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5兆7000万ドルを運用する世界最大級の資産運用会社ブラックロックのCEOラリー・フィンク氏は、仮想通貨の基盤となっているブロックチェーン技術に将来性を感じているが、ウォール・ストリートを席巻している仮想通貨の潮流に迎合するつもりはない。
最近のブルームバーグのインタビューで同氏は、ビットコインの350パーセントにものぼる爆発的な成長は、不正の現われだろうと述べた。
「世界で大量のマネーロンダリングが行われていることを示している」と同氏。
「多くの人が資金を移動させようとしている」
だが、フィンク氏は「真のグローバルな仮想通貨」は支持すると語る。
「はっきりさせておこう。もし我々が真のグローバルな仮想通貨を作り出せば、ちなみに私は仮想という言葉が嫌いだが、マネーロンダリングはもうなくなり、全てが明白になり、順調に動き出すだろう」
ビットコインや他の仮想通貨の爆発的な成長について、ウォール・ストリートの大物はこれまでに様々な意見を述べている。
口火を切ったのはJPモルガン・チェースのCEOジェイミー・ダイモン氏。同氏はビットコインを「詐欺」と切り捨て、1600年代の「チューリップ・バブルよりも悪質」と述べた。その後、モルガン・スタンレーのCEOジェームス・ゴーマン氏は、ビットコインに若干の理解を示し、「単なる流行以上のものだ」と発言した。
10月2日(現地時間)、ウォール・ストリート・ジャーナルは、ゴールドマン・サックスがビットコイン取引の支援業務の立ち上げを検討していると報じた。
ブラックロックが仮想通貨に関することに乗り出す可能性や関連する商品を検討しているのかという質問に対して、フィンク氏の答えは明快だった。
「顧客からそういった要望を受けていない」とフィンク氏。
「顧客から『運用対象にしたい』という要望を受けていない以上、答えはノーだ」
(翻訳:忍足 亜輝)