Pilot Flying J
ウォーレン・バフェット氏が長距離トラックドライバー向け休憩施設(トラックステーション)に投資する。
10月3日(現地時間)、バフェット氏がCEOを務めるバークシャー・ハサウェイは、トラックステーションを展開するパイロット・フライング J(Pilot Flying J)の親会社パイロット・トラベル・センターズ(Pilot Travel Centers)の株式38.6%を取得することで合意したと発表。2023年までに、バークシャー・ハサウェイはパイロット・トラベル・センターズの筆頭株主となる見通し。
パイロット・フライング Jは、北アメリカ最大のトラックステーション運営会社。年間売り上げは200億ドル(約2兆2600億円)を超える。
同社がいかにして競合との差別化に成功したのか、そしてどうやってトラックドライバーからの支持を獲得したのか。詳しく見ていこう。
ジミー・ハスラム氏が、1店舗目を開店したのはバージニア州ゲートシティ。
1981年までに全米100店舗に達し、年間売り上げは1億7500万ドルにのぼった。
同年、初のトラックステーション「トラベル・センター」をオープン。
トイレやガソリンスタンドだけでなく、レストランや広大な駐車スペースを持つトラックステーションは、トラックドライバーや車で長距離旅行をするドライバーにとって大切な存在。
コインランドリーやシャワーを併設した店舗もある。
2009年、パイロットはフライング Jの250店舗を買収、他の競合企業が倒産した後のことだ。2年後、2社は正式に合併、新たに北アメリカに550の施設を持つ「パイロット・フライング J」が誕生した。
現在、アメリカとカナダで750を超える店舗を展開、従業員は約2万7000人。
トラックドライバーだけでなく、旅行客の取り込みにも力を入れている。
テナントにはサブウェイ、シナボン、アービーズなども。
ファストフードチェーンに負けないクオリティと同社がアピールする「PJ Fresh」もある。他のトラックステーションにはない特徴だ。
もちろん、フローズンドリンクのICEEやコーヒーなど、ガソリンスタンドで定番の飲み物もある。
だが同社が最も注力していることは、清潔さだろう。特にトイレ。
「店によって違いはあるが、メンテナンスは30分ごとに行い、トイレを清潔に保っている」と創業者ジム・ハスラム氏はフォーチュンに語っている。「以前は、マネージャーと私が実際に店舗に出向き、チェックしていた。万一、不潔なトイレに出くわした友人たちがいれば、直接私たちに知らせてくれた。今は覆面調査員がチェックしている」
出典:Fortune
ハスラム家は過去59年間、筆頭株主であり続けた。
NFLクリーブランド・ブラウンズのオーナーでもあるジミー・ハスラム氏は、バークシャー・ハサウェイによる株式取得後もCEOに留まる。
David Richard/AP
(翻訳:忍足 亜輝)