「#枝野勝て」は票になるか。立憲民主党Twitterフォロワー数15万の「中身」

10月2日に結党を表明した立憲民主党のTwitterフォロワー数が、同日のアカウント開設から4日で、希望の党、自民党を抜き去り、15万に迫る勢いだ。動画の活用、頻繁な更新、投稿拡散依頼など、積極的な発信が功を奏している形だが、皆が気になるのは、フォロワー数が票にどの程度結びつくのかだろう。どんな人が、なぜ立憲民主党のアカウントをフォローしているのか。ビッグデータと街頭で分析した。

枝野氏の街頭演説

新党設立表明後、街頭演説を行う枝野氏。4日、東京・中野区。

他にもフォローしている1位はケント・ギルバート

立憲民主党フォロワー数推移

立憲民主党フォロワー数推移

ユーザーローカル提供

ビッグデータの解析サービスを提供するユーザーローカルが、自社のソーシャルメディア解析ツールを使って、5日夕方時点のフォロワーを分析したところ、面白い事実が判明した。

立憲民主党のフォロワーの平均年齢は34歳。対して希望の党のフォロワーの平均年齢は30歳です」(伊藤将雄社長)。

立憲民主党の4日時点のフォロワー平均年齢は36歳だったので、フォロワー数が増えるに伴い若年化が進んでいるが、伊藤社長は「よくツイートする人の平均年齢は20代半ばなので、立憲民主党のフォロワーの年齢層は高めと言えるでしょう」と語る。フォロワー居住地は関東が多く、地理的分布では希望の党と差が少ない。

立憲民主党フォロワー属性

立憲民主党のフォロワー属性

ユーザーローカル提供

興味深いのは、「立憲民主党のフォロワーが、他にフォローしているアカウント」だ。

『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』が今年ベストセラーとなったケント・ギルバート氏、「反民進、反共産」を公言している作家の百田尚樹氏や、「僕は始めっから『ネトウヨ』と自称してます」とつぶやいている美容外科の「高須クリニック」院長の高須克弥氏が上位にランクインしているほか、希望の党から公認を受けた民進党前職の原口一博氏、無所属での出馬を表明した民進党前職の岡田克也氏の名もある。他に現役の新聞記者が複数いる。一方、立憲民主党の候補者は見当たらない。

立憲民主党のフォロワーが他にフォローしているアカウント

立憲民主党のフォロワーが他にフォローしているアカウント

ユーザーローカル提供

「立憲民主党をフォローしているユーザーが他にフォローしているアカウント」に共通点があるとすれば、「政治的内容を含むツイートが多い」ことだろう。伊藤社長も、「今のところ、立憲民主党支持者というより、政治全般への関心が強い人がウオッチャー的視点でフォローしている印象ですね」と語った。

枝野氏の人気コンテンツ化

2日の立憲民主党設立会見では、党首の枝野幸男氏に対し、ニコニコ動画の記者から以下の発言があった。

「TwitterなどのSNSで、3.11の時は『#枝野寝ろ』だったと思うんですけど。今回『#枝野立て』というハッシュタグが出まして。『今こそ枝野氏が立つべきだ』という声がネットから出てきたと思います」

ツイッター画面

Twitterでは枝野氏関連のハッシュタグが大量発生している。

2011年3月の東日本大震災発生後、官房長官としてメディア対応を続けた枝野氏。その不眠不休ぶりに、Twitterではハッシュタグ「#枝野寝ろ」が拡散した。今回の民進党分裂騒動では、「#枝野寝ろ」から派生したと思われる「#枝野寝るな」「#枝野起きろ」「#枝野立て」「#枝野立つ」「#枝野走れ」「#枝野がんばれ」「#枝野勝て」といったいくつものハッシュタグが登場し、ユーザーからは「見た目がゆるキャラみたいだし、SNSとの親和性が高い」との声が挙がる。

枝野氏は4日夕方、東京・中野区で立憲民主党から出馬する長妻昭元厚労相と共に街頭演説を行った。

約2時間前にTwitterで告知され、開始時点の聴衆はマスコミを除けば約100人。4割ほどが高齢者で、若者層は少なく、「盛り上がっている」とは言えなかった。しかし枝野氏の演説が始まると、徐々に20代の若者が足を止め、写真や動画を撮り始めた。

大学生くらいの4人の男性グループは「静止画」「動画」と役割を分担して撮影。他にも動画撮影をする20代の男性がいた。

帰宅ラッシュが始まる前。高齢者が目立つ聴衆から若者だけを切り取ってみると、新党の党首の街頭演説というよりは、ゆるキャラの撮影会といった雰囲気で、画像を撮ることに夢中になっている。枝野氏が「人気コンテンツ」化していることが見てとれた。

結局、フォロワーは投票するのか

枝野氏の街頭演説中、Instagramで中継をしていた女子大学生(21)は、「生中継をする人がいないというのをネットで見て、中野まで自転車で来た。草の根からの民主主義が素敵で、立憲民主党を応援できると思った」と語った。中野区在住の40代会社員男性は、「二大政党制が定着した方がいいと思って、これまでも民主、民進に投票してきた。力のある野党が育ってほしいので、応援の意味も込めてフォローした」という。

枝野氏の街頭演説

枝野氏らの街頭演説に足を止めて耳を傾ける人々。4 日、東京・中野区。

一方で、フォローしている人をランダムに当たっていくと、伊藤社長が推測した通り、「年齢が高めの、政治に関心がある層」が少なくないことも分かった。

「業務上政策を知る必要があるので」(電力会社勤務、男性、40代)

「与党や希望の党の政策はテレビで見ていれば分かるけど、立憲民主党の情報は少ないから」(農業、男性、40代)。

希望の党との比較

「立憲民主党」「希望の党」のフォロワー比較

ユーザーローカル提供

立憲民主党をフォローしている人の中には、「与党の政策はもう知っているから」「希望の党のことはテレビで分かるから」という理由で、他の政党のアカウントをフォローしていないという回答も複数あった。

福岡市の会社経営者、石田保憲さん(35)は、立憲民主党のフォロワーが急増しているというニュースを見て、4日にフォローした。「東日本大震災のときに会見を見ていたので、党というより個人に敬意というか、興味を持っています。今回の新党立ち上げも不利だろうに筋を通した印象」。ただ、実際の投票については、「それはまた別です。これから政策をしっかりみます」と語った。

(文:浦上早苗、木許はるみ、撮影:木許はるみ)

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