新型が出ると、自分のiPhoneが遅くなったように感じるのはなぜ?

ソフトウエアのベンチマーク調査を専門とするFuturemarkは、iPhone 5s、iPhone 6、iPhone 6s、iPhone 7それぞれの機種をテストした結果、各機種のパフォーマンスは新型がリリースされた後でも変わらないと結論付けた。

同社は2013年に発売されたiPhone 5sまで調査対象を広げ、iPhoneに内蔵されているCPUを最新のiOS 11で走らせた場合と2015年にリリースされたiOS 9で走らせた場合で、そのパフォーマンスに差がないことを明らかにした。

Futuremarkによると、iPhone 6、iPhone 6s、iPhone 7でも同様の結果が得られた。

iPhone 5sのCPUパフォーマンス

iPhone 5sのCPUパフォーマンス。

Futuremark

新型iPhoneのリリースに合わせて、アップルが古い機種のパフォーマンスが落ちるよう意図的に操作し(「計画的陳腐化」と呼ばれる戦術)、買い替えを促していると囁かれることもある。だが、アップルが計画的陳腐化を行っていることを裏付けるデータや証拠は存在しない。

その代わり、旧型iPhoneのパフォーマンスは、新型iPhoneと通常同時にリリースされるiOSの新バージョンとそれに伴うアプリのアップデートの影響を受ける。iOSの新バージョンとそのアップデートをサポートするアプリには、新しいiPhoneに内蔵されたハードウエアでスムーズに働くよう設計された機能が搭載されることも少なくない。それを考えれば、新型iPhoneがリリースされると旧型iPhoneの動作が遅くなることにも説明が付く。つまり新型iPhoneがリリースされた後に発表される新バージョンのiOSとアプリは、単純に旧型iPhoneのプロセッサー向けには最適化されていないのかもしれない。

iPhone 5s

iPhone 5s。

Steve Kovach/Business Insider

また、Futuremarkは「より新しい、より機能性の高い機種が世の中に存在していると知っていること」で、自分のiPhoneが劣って見えるという「心理的な効果」によって、旧型iPhoneの動作が遅くなっているように感じられるのではないかとも指摘している。

一般的に古いデバイスの動作が年々遅くなるのは紛れもない事実だが、iPhone 6sなど比較的最近の機種は、まだ十分なパフォーマンスを発揮している。筆者のiPhone 6s Plusは購入してから2年になるが、今なお思うように動いてくれている。まだまだ現役だ。

[原文:Here's why it seems like your iPhone gets slower when a new one comes out (AAPL)]

(翻訳:まいるす・ゑびす)

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